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真化についての仮説
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== 真化(しんか/Ascension)==
 
== 真化(しんか/Ascension)==
[[第3次スーパーロボット大戦Z]]のキーワード。生命体が進化を続けた果てに至る最高の境地とされている。
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[[第3次スーパーロボット大戦Z]]』のキーワード。生命体が進化を続けた果てに至る最高の境地とされている。
時獄篇の時点では「シンカ」とカタカナ表記され、その詳細は明かされず、天獄篇で全てが説明された。ちなみにアクセントは「真『化』」。
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[[第3次スーパーロボット大戦Z時獄篇|時獄篇]]の時点では「シンカ」とカタカナ表記され、その詳細は明かされず、[[第3次スーパーロボット大戦Z天獄篇|天獄篇]]で全てが説明された。ちなみにアクセントは「真『化』」。
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Zシリーズの宇宙には、「存在しようとする力」と「消滅しようとする力」の二つの大きな動きが存在している。
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「[[Zシリーズ]]」の[[宇宙]]には、「存在しようとする力」と「消滅しようとする力」の二つの相反する大きな動きが存在している。
 
この二つの力がぶつかり合うことによって、1万2000年周期で宇宙は崩壊・再生を繰り返し、その中で生物は少しずつ進化していく。これについて劇中では「獣の血」「水の交わり」「風の行き先」「火の文明」そして「太陽の輝き」と表現されている。
 
この二つの力がぶつかり合うことによって、1万2000年周期で宇宙は崩壊・再生を繰り返し、その中で生物は少しずつ進化していく。これについて劇中では「獣の血」「水の交わり」「風の行き先」「火の文明」そして「太陽の輝き」と表現されている。
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最後に待つ「太陽の輝き」とは、それら全てを経ての高次元生命体へのアセンションのことを指す。この段階に至った生命体は、オリジン・ロー即ち[[次元力]]を自在に行使することが出来る。この段階に至るための、進化の最後の一段階を「真化」と呼称するのである。
 
最後に待つ「太陽の輝き」とは、それら全てを経ての高次元生命体へのアセンションのことを指す。この段階に至った生命体は、オリジン・ロー即ち[[次元力]]を自在に行使することが出来る。この段階に至るための、進化の最後の一段階を「真化」と呼称するのである。
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ただし、高次元生命体に至れば真化を果たしたことになるわけではない。「消滅しようとする力」(無に向かおうとする意思)に呑まれると、[[インベーダー]]や[[ハーデス神]]、[[宇宙魔王]]のような怪物じみた姿となってしまう。本当の意味での真化に必要なのは、「'''他者を理解し、受け入れ、共に歩む'''」という実に単純な真理を理解することである(実際、歪んだ真化を遂げた者たちは等しく傲慢で、他者を見下している)。
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ただし、高次元生命体に至れば真化を果たしたことになるわけではない。「消滅しようとする力」(無に向かおうとする意思)に呑まれると、[[インベーダー]]や[[ハーデス神]]、[[宇宙魔王]]のような怪物じみた姿となってしまう。本当の意味での真化に必要なのは、「'''他者を理解し、受け入れ、共に歩む'''」という実に単純な真理を理解することである。それができない存在は他者を受け入れない傲慢な性格となる。
    
正しく真化した面々は[[ゼウス神]]、[[不動ZEN]]、[[渚カヲル]]など少ない。また、[[早乙女博士 (OVA)|早乙女博士]]はこの真理にかなり早くから気づいており、それを表現するためにゲッターロボを建造している。他の世界に存在するゲッター艦隊も、一瞬とはいえ真化を遂げた真ゲッターを「とりあえず褒めてやる」と言っていたので恐らく真化済みか、それより高い段階に進化していると推察される。
 
正しく真化した面々は[[ゼウス神]]、[[不動ZEN]]、[[渚カヲル]]など少ない。また、[[早乙女博士 (OVA)|早乙女博士]]はこの真理にかなり早くから気づいており、それを表現するためにゲッターロボを建造している。他の世界に存在するゲッター艦隊も、一瞬とはいえ真化を遂げた真ゲッターを「とりあえず褒めてやる」と言っていたので恐らく真化済みか、それより高い段階に進化していると推察される。
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本物の真化とは、融合でも同化でもなく、個が個としての他を理解し、受け入れることによって成される「共存共栄」の真理であり、これを摂理として完全に理解した時に真化への道が開かれる。そして、その時から1万2000年を経て、ようやく生命体は「太陽の輝き」へと至ることになる。他者を理解する力を持つニュータイプやイノベイターもその力の一片といえる。
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本物の真化とは、融合でも同化でもなく、個が個としての他を理解し、受け入れることによって成される「共存共栄」の真理であり、これを摂理として完全に理解した時に真化への道が開かれる。そして、その時から1万2000年を経て、ようやく生命体は「太陽の輝き」へと至ることになる。他者を理解する力を持つニュータイプやイノベイターもその力の一片といえる<ref>[[トライア・スコート|トライア博士]]のセリフから、「強い意志に応えて、機体が限界を超えた力を叩き出す」という設定は精神コマンドに関連付けられていることが伺える。普通に使っていた且つ使わないはずがないシステムが、実は重要な[[伏線]]となっていた面白い例である。</ref>。
 
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[[トライア・スコート|トライア博士]]のセリフから、「強い意志に応えて、機体が限界を超えた力を叩き出す」という設定は精神コマンドに関連付けられていることが伺える。普通に使っていた且つ使わないはずがないシステムが、実は重要な伏線となっていた面白い例である(関連作品ではゼノギアスなどが例に挙がる)。
      
=== 二つの力と宇宙の大崩壊 ===
 
=== 二つの力と宇宙の大崩壊 ===
   
「存在しようとする力」は万物万象全ての意志たる霊子が生み出し、「消滅しようとする力」は宇宙そのものが生み出す。後者は宇宙の「生まれ変わることを望む意志」に由来する「虚無」の力である(生物の場合も心の闇とも言うべき不安や恐怖、絶望から「消滅しようとする力」を生み出す事があるとされるので、万物万象がもつ滅びへの指向性と言った方が正しいかもしれない)。
 
「存在しようとする力」は万物万象全ての意志たる霊子が生み出し、「消滅しようとする力」は宇宙そのものが生み出す。後者は宇宙の「生まれ変わることを望む意志」に由来する「虚無」の力である(生物の場合も心の闇とも言うべき不安や恐怖、絶望から「消滅しようとする力」を生み出す事があるとされるので、万物万象がもつ滅びへの指向性と言った方が正しいかもしれない)。
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=== 真化融合 ===
 
=== 真化融合 ===
 
いくつかの世界で提唱されていた、真化の応用による理論。
 
いくつかの世界で提唱されていた、真化の応用による理論。
世界を構成する全ての物質には、原子レベルで「意志」が備わっており、これを「霊子」と呼ぶ。例えば水素と酸素の化合で水が出来るのはそれぞれの原子の意志であり、惑星の公転も、生命体が死ぬのもそれぞれの意志である。
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世界を構成する全ての物質には、原子レベルで「意志」が備わっており、これを「[[霊子]]」と呼ぶ。例えば水素と酸素の化合で水が出来るのはそれぞれの原子の意志であり、惑星の公転も、生命体が死ぬのもそれぞれの意志である。
    
これはロボットにおいても同様で、[[精神コマンド|乗り手の意志]]に呼応して底力を発揮するようなことがあった場合、それはそのロボットの意志である。次元力とは、この「霊子」に働きかけ、それらによって構成される事象を制御する力であり、悪い見方をすれば「霊子に対する洗脳」とも言い換えられる。
 
これはロボットにおいても同様で、[[精神コマンド|乗り手の意志]]に呼応して底力を発揮するようなことがあった場合、それはそのロボットの意志である。次元力とは、この「霊子」に働きかけ、それらによって構成される事象を制御する力であり、悪い見方をすれば「霊子に対する洗脳」とも言い換えられる。
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この、マシンの霊子をパイロットの霊子に呼応させ、両者の境界をなくしてダイレクトに意思疎通が出来るようにすることを「真化融合」という。これは次元将たちの故郷でも提唱されていたが実現には至らず、代用品として[[リヴァイブ・セル]]が開発された経緯がある。
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この、マシンの霊子をパイロットの霊子に呼応させ、両者の境界をなくしてダイレクトに意思疎通が出来るようにすることを「真化融合」という。これは次元将たちの故郷でも提唱されていたが実現には至らず、代用品として「[[リヴァイブ・セル]]」が開発された経緯がある。
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ヒビキの行使する「いがみ合う双子のスフィア」のスフィア・アクトはこの真化融合を擬似的に起こす力で、周囲やマシンの霊子とパイロットを同調させる(マシンに作用するクアンタムバーストのようなもの)ことで実力以上の力を発揮することが出来る。これは、マシンの霊子との同調で次元力を引き出す事と同義でもある(次元力の行使とは、主に次元力によって霊子を操り事象を制御する事だが、逆に霊子と同調し事象を制御する事が出来れば、それも次元力を行使したと言い換えられるため)。
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「[[スフィア]]」の一つ「いがみ合う双子のスフィア」のスフィア・アクトはこの真化融合を擬似的に起こす力で、周囲やマシンの霊子とパイロットを同調させる<ret>「zシリーズ」ではマシンに作用するクアンタムバーストのようなもの</ret>ことで実力以上の力を発揮することが出来る。これは、マシンの霊子との同調で次元力を引き出す事と同義でもある(次元力の行使とは、主に次元力によって霊子を操り事象を制御する事だが、逆に霊子と同調し事象を制御する事が出来れば、それも次元力を行使したと言い換えられるため)。
    
天獄戦争においては、原因と結果が混濁し、意志によって存在が認識・定義されるカオス・コスモスの環境と[[ソーラリアン]]に搭載された[[Zクリスタル]]に4つのスフィアをシンクロさせることで実現した。天獄戦争後はカオス・コスモスおよびZクリスタルの消滅によって使用が出来なくなった。なお、真化融合は真化の入り口の段階であり、これから長い時間をかければ人類も高次元生命体へと至る可能性がある事が示唆されている。
 
天獄戦争においては、原因と結果が混濁し、意志によって存在が認識・定義されるカオス・コスモスの環境と[[ソーラリアン]]に搭載された[[Zクリスタル]]に4つのスフィアをシンクロさせることで実現した。天獄戦争後はカオス・コスモスおよびZクリスタルの消滅によって使用が出来なくなった。なお、真化融合は真化の入り口の段階であり、これから長い時間をかければ人類も高次元生命体へと至る可能性がある事が示唆されている。
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その原理は、趣と根源はかなり違うが、[[オーガン (地球製)|オーガン]]と[[真道トモル]]や[[ラインバレル]]と[[城崎天児]]及び[[早瀬浩一]]、[[ペルゼイン・リヒカイト]]と[[アインスト・アルフィミィ]]の関係が近いといえる(マシンが肉体で、パイロットが魂)。また、[[ボン太くん]]を着込んだ宗介がある意味先駆けていたと言えなくもないこともなくはない(ガラダブラやハーデスは「人間のたどり着いたシンカの形」と本気で驚愕していたが、「マシンと人の一体化」という点ではある意味間違っていない)。
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その原理はパイロットとマシンの周囲に存在するエネルギーによって成長促進させる「人機一体」のマシン「[[ポゼッション]][[サイバスター|・サイバスター]]」、或いは「[[ヤルダバオト]][[ヤルダバオト・神化|・神化]]」の両者、そして「Zシリーズ」では[[ボン太くん]]や[[バスターマシン7号]]らが該当するだろう<ref>「Zシリーズ」では「人機一体」のマシンという発想はなく、「OGシリーズ」ではその発想で開発された「[[魔装機神]]」「[[ヴァルシオーネR]]」「[[ダイナミック・ゼネラル・ガーディアン]]」「[[ソウルゲイン]]」「[[修羅神]]」など多い。</ref>。
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趣と根源はかなり違うが、[[オーガン (地球製)|オーガン]]と[[真道トモル]]や[[ラインバレル]]と[[城崎天児]]及び[[早瀬浩一]]、[[ペルゼイン・リヒカイト]]と[[アインスト・アルフィミィ]]の関係が近いといえる(マシンが肉体で、パイロットが魂)。また、[[ボン太くん]]を着込んだ宗介がある意味先駆けていたと言えなくもないこともなくはない(ガラダブラやハーデスは「人間のたどり着いたシンカの形」と本気で驚愕していたが、「マシンと人の一体化」という点ではある意味間違っていない)。
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== 特殊システム「真化融合」==
 
== 特殊システム「真化融合」==
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:「根源的災厄」の正体である4人の高次元生命体。その精神構造は傲慢と独善そのものであり、自分達以外全ての存在を見下し、並行世界に満ちる命を銀河ごと滅ぼし、「存在しようとする力」を削り続ける存在。「'''命ある者全ての敵'''」「'''真のバアル'''」とも呼ばれる。
 
:「根源的災厄」の正体である4人の高次元生命体。その精神構造は傲慢と独善そのものであり、自分達以外全ての存在を見下し、並行世界に満ちる命を銀河ごと滅ぼし、「存在しようとする力」を削り続ける存在。「'''命ある者全ての敵'''」「'''真のバアル'''」とも呼ばれる。
 
:最初に真化を果たした存在を自称しているが、実際には[[惑星エス・テラン|エス・テラン]]の全ての生命が物理的融合したことで誕生した存在であり、まず'''真化すら果たしていない。'''また、最終的に全ての御使いを吸収した聖アドヴェントは世界を崩壊に導く「消滅しようとする力」そのものになっていた。
 
:最初に真化を果たした存在を自称しているが、実際には[[惑星エス・テラン|エス・テラン]]の全ての生命が物理的融合したことで誕生した存在であり、まず'''真化すら果たしていない。'''また、最終的に全ての御使いを吸収した聖アドヴェントは世界を崩壊に導く「消滅しようとする力」そのものになっていた。
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== 脚注 ==
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<references />
    
== 余談 ==
 
== 余談 ==
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*真化に至るまでの段階を表す「獣の血」「水の交わり」「風の行き先」「火の文明」「太陽の輝き」のモチーフとなっているのは、現実のマヤ文明が用いた『マヤのカレンダー』である。
 
*真化に至るまでの段階を表す「獣の血」「水の交わり」「風の行き先」「火の文明」「太陽の輝き」のモチーフとなっているのは、現実のマヤ文明が用いた『マヤのカレンダー』である。
 
*天獄篇の発売以前は、シンカの正式な表記は「神化」ではないかと予想されていた。
 
*天獄篇の発売以前は、シンカの正式な表記は「神化」ではないかと予想されていた。
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[[Category:第3次スーパーロボット大戦Z]]
 
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