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== 余談 ==
 
== 余談 ==
作中で描かれる彼の人物像について、一点おかしな所がある。それは「憎しみの対象が不明瞭」ということ。故郷を滅ぼした御使いは、忠誠を誓いヴィルダークの計画に誘われなかったことから除外される。終始ご執心のセツコは、ヴィルダークの発言から憎しみの対象が大勢であることと時期的な関係でありえない。それ以外の人間は御使い直下にある彼にとって「その他大勢」でしかない。サードステージに至るリアクターの憎悪対象がこうまで不明瞭なのは不自然である(単純に尺不足かもしれないが)。
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結局最初の2つは除外するしかなく、残るのは「その他大勢」だけとなる。地球に来て間もないだろう彼がその他大勢に対してサードステージクラスの憎しみを抱き続けられるとしたら、その理由は何だろうか。
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ここで、蠍座に関与するタロット「死神」のモチーフについて考えてみると、マルセイユ版で彼にリンクする特徴は「未来も過去もない」「無名」の2点があることが分かる。これらは、故郷を滅ぼされサイデリアルに従う以外の道を失い、バルビエルというリアクターとしての名を名乗っている彼と重なる。この特徴は「リアクターではない、ただの彼に存在意義がない」と言い換えられる。加えて、性格分類からすると、蠍座の憎しみは「どうあがいても得られない絶望」が根源と思われる。このことから、彼が一般人を憎む理由があるとすれば「'''存在が許されていることへの嫉妬心'''」という極めてどうしようもないものとなる。
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仮にこの通りであるなら、作中で行ってきた彼の非道も見方が多少変わる。本質が極めて卑屈な彼にとって、日の当たる世界で生きる人々は触れたくても触れ得ざる存在であり、どうにかして接しようとするならば向こうから近付いてもらうしかない。よって、人を憎しみを煽る行為は、自分と同列に仕立て上げることによる'''ある種のコミュニケーション'''とも取れる。無論、だからと言って許されるものでもないが。
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さらなる余談であるが、某漫画にこの仮説と極めて似た立ち位置の存在がいる。悪逆を尽くしたその存在の心からの願いは「'''日の当たる世界に生まれ、名前をもらって優しく呼んでもらうこと'''」だった。彼も、バルビエルではなくオリオンの名で、慈愛を以て呼びかけ続ければ多少なりとも救われたのだろうか。
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ちなみに、ウェイト版の死神のモチーフは黙示録に登場する、疫病を振りまく第四の騎士である。病原菌のごときナノマシンをまき散らす点に重なる。
   
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