「ハイスピード・アクティブ・バトル」の版間の差分
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無限のフロンティアシリーズにおいては、通常のRPG作品とは一風異なる独自の戦闘システムが採用されている。 | 無限のフロンティアシリーズにおいては、通常のRPG作品とは一風異なる独自の戦闘システムが採用されている。 | ||
− | + | この戦闘システムは初代『[[無限のフロンティア スーパーロボット大戦OGサーガ]]』の時点で既にその基礎が完成しており、第二作『[[無限のフロンティアEXCEED スーパーロボット大戦OGサーガ]]』において操作性・戦略性を更に向上させる形で内容を昇華、「ハイスピード・アクティブ・バトル」と命名されることとなった。このため、本記事のタイトルは厳密には『EXCEED』以降の戦闘システムを指したものであるが、ここでは便宜上シリーズの戦闘システムを指す用語として用い、両者を併せて紹介する。 | |
− | == 発祥(NAMCO x CAPCOM) == | + | === 発祥(NAMCO x CAPCOM) === |
− | + | 本システムの雛型は、森住惣一郎氏がディレクターを務めたモノリスソフト製作のRPG作品『[[NAMCO x CAPCOM]]』の戦闘システムであり、タイミングよくボタンを押して技を発動させ、敵を地上に落とさずにコンボを繋げていくという仕組みのものであった。無限のフロンティアの企画がOGシリーズと同作のDNAを取り入れた作品として走り出したことで、戦闘システムも必然的に同作のものを踏襲した形で検討がなされることとなる。 | |
=== システムの概要 === | === システムの概要 === | ||
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これらの工夫の結果、RPG並のシンプルな操作性に格ゲー並の攻撃爽快感を併存させ、更に本家スパロボ並にキャラクターボイスやカットインCGを楽しむことが可能な戦闘システムが誕生。その内容はユーザー、ゲーム誌共に好評価で、初代ムゲフロの成功とシリーズ化(次作・EXCEEDの開発)を決定づける重要な要因の一つとなった。 | これらの工夫の結果、RPG並のシンプルな操作性に格ゲー並の攻撃爽快感を併存させ、更に本家スパロボ並にキャラクターボイスやカットインCGを楽しむことが可能な戦闘システムが誕生。その内容はユーザー、ゲーム誌共に好評価で、初代ムゲフロの成功とシリーズ化(次作・EXCEEDの開発)を決定づける重要な要因の一つとなった。 | ||
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最も基本的な攻撃がAボタン押しによる通常攻撃で、予め設定された技(技の発動順は予め自身で設定可能。また、レベルアップにより使用可能な技数が増える)が発動。技の最中・或いは終了後にAボタンを押すと次の技が発動。この行動に、←押しによる「援護」、→押しによる「連続攻撃(行動順が次のキャラクターへ交代)」等を組合せ、'''コンボをつないで大ダメージを狙っていく'''というのが基本的なコンセプトとなる。 | 最も基本的な攻撃がAボタン押しによる通常攻撃で、予め設定された技(技の発動順は予め自身で設定可能。また、レベルアップにより使用可能な技数が増える)が発動。技の最中・或いは終了後にAボタンを押すと次の技が発動。この行動に、←押しによる「援護」、→押しによる「連続攻撃(行動順が次のキャラクターへ交代)」等を組合せ、'''コンボをつないで大ダメージを狙っていく'''というのが基本的なコンセプトとなる。 | ||
− | + | その他、フロンティアゲージが溜まると使用可能な「必殺技」や、戦闘コマンドとは別に入力可能な「特殊技」「精神コマンド」といった要素もある。詳細はそれぞれ『[[使用技/無限のフロンティア]]』『[[精神コマンド/無限のフロンティア]]』を参照。 | |
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コンボを継続出来れば表示ヒット数がどんどん増えて非常に爽快だが、それ以上にコンボの継続には戦略的な意味合いが強いので、模擬戦やザコ戦で経験を重ねてコンボ継続のタイミングをきちんと習得しておく必要がある。コンボの継続によるメリットは概ね下記の通り。 | コンボを継続出来れば表示ヒット数がどんどん増えて非常に爽快だが、それ以上にコンボの継続には戦略的な意味合いが強いので、模擬戦やザコ戦で経験を重ねてコンボ継続のタイミングをきちんと習得しておく必要がある。コンボの継続によるメリットは概ね下記の通り。 | ||
− | + | ;1.敵の攻撃BLOCK阻止 | |
− | + | :敵の多くは、攻撃のダメージを一定のヒット回数まで1/10にする「BLOCK行動」を取る。BLOCK行動は攻撃を一定数ヒットさせることで「クラッシュ」し、以後は通常のダメージを与えられるようになる。コンボ継続中は特に問題ないが、'''敵が地上に落ちた(コンボが途切れた)場合、その都度BLOCK行動を取る'''ため、与ダメージがかなり落ちる。 | |
− | + | ;2.敵の強制回避阻止 | |
− | + | :ボス格を中心とした一部の敵には「[[強制回避]]」の発動率が設定されている。強制回避とは、相手の攻撃を問答無用で強制終了する能力で、上記のBLOCK再生の条件同様、コンボが途切れた場合に都度判定がかかる(しかも一部の敵は攻撃強制ストップに止まらず、'''「反撃攻撃」による追い打ち'''までかけてくる)。従って、強制回避を防ぐためにコンボの継続は必須である。 | |
− | + | ;3.クリティカル率上昇 | |
− | + | :ヒット数÷10だけクリティカルの発動率が上昇する。このため、単純にコンボ数が増えれば増えるほど攻撃力は上がる。クリティカルの発生如何でダメージ量が大きく変わる[[アシェン・ブレイデル|アシェン]]にとっては特に重要。 | |
− | + | ;4.フロンティアゲージ上昇 | |
− | + | :コンボの直接的な意義ではないが、援護攻撃を使うと「フロンティアゲージ+5」、連続攻撃を使うと「フロンティアゲージ+10」「COM+20」といった恩恵がある。コンボ継続のためにこれらを多様していると、フロンティアゲージの溜まりも早くなり、必然的に'''必殺技が使用しやすくなる'''。 | |
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=== 戦闘のコツ === | === 戦闘のコツ === | ||
上述の通り、コンボ継続が戦闘の第一の基本である。 | 上述の通り、コンボ継続が戦闘の第一の基本である。 | ||
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ハイスピード・アクティブ・バトルの命名は本作から。 | ハイスピード・アクティブ・バトルの命名は本作から。 | ||
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− | + | 詳細は下記、及び『[[使用技/無限のフロンティアEXCEED]]』『[[精神コマンド/無限のフロンティアEXCEED]]』の各記事を参照。 | |
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==== 支援攻撃 ==== | ==== 支援攻撃 ==== | ||
− | + | 本作には総勢10名以上+全6機の「'''支援専用キャラクター(ユニット)'''」が登場。 | |
支援キャラクターはメインのキャラクターに対し一対一で備え付けることが可能(事前の隊列編成で準備が必要。戦闘中の交換は出来ないため注意)で、支援キャラクターを付けると以下のようなメリットがある。 | 支援キャラクターはメインのキャラクターに対し一対一で備え付けることが可能(事前の隊列編成で準備が必要。戦闘中の交換は出来ないため注意)で、支援キャラクターを付けると以下のようなメリットがある。 | ||
*「支援攻撃」が使用可能になる。支援攻撃は援護攻撃に似た追加攻撃で、通常1ターンに1回、精神コマンド等によっては2回の使用が可能。使用するとフロンティアゲージが5%溜まる。 | *「支援攻撃」が使用可能になる。支援攻撃は援護攻撃に似た追加攻撃で、通常1ターンに1回、精神コマンド等によっては2回の使用が可能。使用するとフロンティアゲージが5%溜まる。 | ||
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*支援攻撃は援護攻撃とは異なり、使用時にSPを消費しない。また、パーティー全員にとっての共通ソースであるため毎回攻撃要員が変わる援護攻撃と異なり、必ず同じキャラクターが攻撃してくれる。このため攻撃のタイミングを取り易い。 | *支援攻撃は援護攻撃とは異なり、使用時にSPを消費しない。また、パーティー全員にとっての共通ソースであるため毎回攻撃要員が変わる援護攻撃と異なり、必ず同じキャラクターが攻撃してくれる。このため攻撃のタイミングを取り易い。 | ||
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*支援キャラクター毎に「能力上昇効果」「精神コマンドのオート発動効果」が設定されている。能力上昇は自動的に発生。更に毎ターン、確率で精神コマンドがかかり、その恩恵を受けることが出来る。 | *支援キャラクター毎に「能力上昇効果」「精神コマンドのオート発動効果」が設定されている。能力上昇は自動的に発生。更に毎ターン、確率で精神コマンドがかかり、その恩恵を受けることが出来る。 | ||
==== 強制回避 ==== | ==== 強制回避 ==== | ||
− | + | 前作では敵専用の能力であった強制回避だが、本作では味方も一定条件で使用可能。また、敵機の強制回避発動条件も変更されている。 | |
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+ | 詳細は別記事「[[強制回避]]」を参照。 | ||
=== 交代・[[援護防御]] === | === 交代・[[援護防御]] === | ||
前作では戦闘中に前衛4人と後衛の間での変更はできなかったが、今回は「交代」「[[援護防御]]」といった形で入れ替えが可能。これらの導入により戦闘におけるアクティブさは一層強化されている。 | 前作では戦闘中に前衛4人と後衛の間での変更はできなかったが、今回は「交代」「[[援護防御]]」といった形で入れ替えが可能。これらの導入により戦闘におけるアクティブさは一層強化されている。 | ||
− | 「交代」は前衛のCOMが30%以上ある場合に使用可能で、前衛キャラと後衛キャラ1名を任意に交代する方法。交代により前衛となったキャラクターはCOM50% | + | 「交代」は前衛のCOMが30%以上ある場合に使用可能で、前衛キャラと後衛キャラ1名を任意に交代する方法。交代により前衛となったキャラクターはCOM50%となるが、そのまま行動可能。交代で前衛になったキャラを同ターンに再度交代することはできない。攻撃面から回復面まで活用方法は様々だが、例えば[[アレディ・ナアシュ|アレディ]]が『[[覇気]]』を使用し、Fゲージを100%→[[楠舞神夜|神夜]]に交代、『[[奇跡]](COM50%回復効果付き)』の必殺技攻撃・・・といったような、アグレッシブな攻め方も可能となっている。 |
一方「援護防御」は敵の行動時に使用可能で、敵から一定の単体攻撃(特殊技や必殺技は不可)の攻撃対象となった場合に、後衛最前列にいるキャラクターと交代するかの選択肢が発生。交代するとした場合、後衛が前衛に入れ替わり、攻撃を受けてくれる。援護防御で前衛に出た場合、交代する前衛に行動回が残っていたとしても、行動は必ず次ターンからとなり、またCOMも0%での登場となってしまう※などデメリットも多い。しかし援護防御時は被ダメージが半減し、KOされる心配は(援護側HPがMAXなら)まずなくなるため、要所で活用したい。 | 一方「援護防御」は敵の行動時に使用可能で、敵から一定の単体攻撃(特殊技や必殺技は不可)の攻撃対象となった場合に、後衛最前列にいるキャラクターと交代するかの選択肢が発生。交代するとした場合、後衛が前衛に入れ替わり、攻撃を受けてくれる。援護防御で前衛に出た場合、交代する前衛に行動回が残っていたとしても、行動は必ず次ターンからとなり、またCOMも0%での登場となってしまう※などデメリットも多い。しかし援護防御時は被ダメージが半減し、KOされる心配は(援護側HPがMAXなら)まずなくなるため、要所で活用したい。 | ||
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ハイスピード・アクティブ・バトルの肝であるコンボの部分についてだが、本作では以下の通り重要な変更が加えられている。 | ハイスピード・アクティブ・バトルの肝であるコンボの部分についてだが、本作では以下の通り重要な変更が加えられている。 | ||
− | + | ;1.COM回復 | |
− | + | :攻撃の終了時、その敵への攻撃を終了した際に達成していたヒット数に応じて味方全キャラクターのCOMが回復する。回復量は「ヒット数÷10(端数切り捨て)」。 | |
− | + | :尚、敵にトドメを指した場合、以後の追撃(所謂オーバーキル分)についてもヒット数にカウントする。また、敵の強制回避発動により攻撃が強制終了となった場合も、同様にCOM値は回復する。 | |
− | + | ;2.フロンティアゲージ上昇 | |
− | + | :戦闘において敵を倒した際、その敵にトドメを刺した際に達成していたヒット数に応じてフロンティアゲージが上昇する。上昇量は「達成ヒット数÷10(端数切り捨て)」。COM値同様、オーバーキル分もヒット数としてカウントする。 | |
− | + | :このボーナスは前作から引き続き採用されているものだが、前作ではフロンティアゲージが戦闘毎にリセットされていたのに対し、本作では戦闘終了後もその数値を引き継ぐように仕様変更が行われている。また、必殺技の種類が増えたり特殊技使用のための消費リソースがFゲージに変更されていたりするため、Fゲージを安定的に獲得していくための手段として、この仕様の重要度は前作以上に高まっている。 | |
− | + | ;3.SP回復 | |
− | + | :戦闘終了時、その戦闘中に達成した最大コンボ数に応じて味方前衛キャラクターのSPが回復する。回復量は「最大ヒット数÷10(端数切り捨て)パーセント」(100HITなら、各キャラクターとも最大値の10%だけ回復) | |
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これらの要素、特にコンボ数に応じてSPが回復するという新規設定により、一回一回の戦闘を有利に進めるのみならず、戦闘の安定的な継続という点においてもコンボの重要度が飛躍的に高まることとなった。 | これらの要素、特にコンボ数に応じてSPが回復するという新規設定により、一回一回の戦闘を有利に進めるのみならず、戦闘の安定的な継続という点においてもコンボの重要度が飛躍的に高まることとなった。 | ||
− | + | ==余談== | |
− | + | 上記の戦闘システム構築において特に意識はされていないと思われるものの、過去のバンプレスト作成のRPG作品には似たような戦闘システムを採用しているものがある。 | |
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− | + | ヒット数によりSPが回復していく仕組みについては、『[[ヒーロー戦記]]』において採用された、攻撃の命中及び敵機の撃破によりTC(テクニカルポイント)が回復するという戦闘システムに近く、ある程度戦闘によってリソースを回復させていくことを念頭に置いてザコ戦をこなしていかなければならない点も概ね同様である。 | |
− | + | また、攻撃によってフロンティアゲージが溜まっていくという前作からの設定、及びフロンティアゲージを戦闘後も持ちこすという本作での仕様変更は、ATPと呼ばれる必殺技専用ゲージを採用していた『[[スーパーヒーロー作戦]]』のそれに近い。 | |
− | + | 前述の通り、ハイスピード・アクティブ・バトルの原型は『ナムカプ』の戦闘システムが土台となっているわけだが、『EXCEED』で加えられた変更はバンプレオリジナル作品のDNAも引き継がれ、融合しているとの見方も出来る。 | |
== 関連記事 == | == 関連記事 == | ||
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**[[使用技/無限のフロンティア]] | **[[使用技/無限のフロンティア]] | ||
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2023年9月25日 (月) 23:02時点における最新版
ハイスピード・アクティブ・バトルは、「無限のフロンティアシリーズ」で採用されている戦闘システム。
概要編集
無限のフロンティアシリーズにおいては、通常のRPG作品とは一風異なる独自の戦闘システムが採用されている。
この戦闘システムは初代『無限のフロンティア スーパーロボット大戦OGサーガ』の時点で既にその基礎が完成しており、第二作『無限のフロンティアEXCEED スーパーロボット大戦OGサーガ』において操作性・戦略性を更に向上させる形で内容を昇華、「ハイスピード・アクティブ・バトル」と命名されることとなった。このため、本記事のタイトルは厳密には『EXCEED』以降の戦闘システムを指したものであるが、ここでは便宜上シリーズの戦闘システムを指す用語として用い、両者を併せて紹介する。
発祥(NAMCO x CAPCOM)編集
本システムの雛型は、森住惣一郎氏がディレクターを務めたモノリスソフト製作のRPG作品『NAMCO x CAPCOM』の戦闘システムであり、タイミングよくボタンを押して技を発動させ、敵を地上に落とさずにコンボを繋げていくという仕組みのものであった。無限のフロンティアの企画がOGシリーズと同作のDNAを取り入れた作品として走り出したことで、戦闘システムも必然的に同作のものを踏襲した形で検討がなされることとなる。
システムの概要編集
元々森住氏は格闘ゲームに深い造詣があり、コンボを繋いで必殺技で締める・・・という一連の流れの爽快感を非常によく理解していた。そこで、同氏はムゲフロの戦闘システムの作成にあたり、以下のコンセプトを設定した。
- 基本的にナムカプのものを踏襲。ボタンを押すタイミングが鍵となる形に。
- RPG作品のユーザー層を考慮し、戦闘は思考性よりも爽快感を重視。格ゲー並の爽快な戦闘展開を目指す。
- しかもシンプルな操作性を追究し、複雑な操作は極力排除。
- 戦闘を単調になりにくくするという点についても配慮。
その結果生まれたのが、以下のような特徴を有する本作のシステムである。
- 一つ一つの攻撃行動はボタンを一回押すだけで発動する。(「キー一回転+A」のような、所謂必殺技コマンドを入力する必要がない)
- 派手な攻撃エフェクト、かつ美麗なカットインと無数の組合せの掛け合いボイスにより単調さを排除。
- 攻撃のヒット数表示により、コンボを繋ぐ快感を増幅。
これらの工夫の結果、RPG並のシンプルな操作性に格ゲー並の攻撃爽快感を併存させ、更に本家スパロボ並にキャラクターボイスやカットインCGを楽しむことが可能な戦闘システムが誕生。その内容はユーザー、ゲーム誌共に好評価で、初代ムゲフロの成功とシリーズ化(次作・EXCEEDの開発)を決定づける重要な要因の一つとなった。
無限のフロンティア スーパーロボット大戦OGサーガ編集
行動順編集
ターン制を採用。キャラクター毎のスピードを中心的な条件として、毎ターン敵味方全キャラクターの行動順が決定、画面下部に表示される。
キャラクターはその順序通りに行動を行い、全員の行動が終了したら次のターンに移る。
基本操作編集
戦闘の際に使用するボタンは以下の5つ。それぞれ一度押せば発動する。
Aボタン | 通常攻撃 |
十字キーの「←」 | 援護攻撃 |
十字キーの「→」 | 連続攻撃 |
Yボタン | 必殺攻撃 |
Bボタン | 攻撃行動を現在発動中の攻撃で終えることの決定 (強制回避の発動阻止) |
最も基本的な攻撃がAボタン押しによる通常攻撃で、予め設定された技(技の発動順は予め自身で設定可能。また、レベルアップにより使用可能な技数が増える)が発動。技の最中・或いは終了後にAボタンを押すと次の技が発動。この行動に、←押しによる「援護」、→押しによる「連続攻撃(行動順が次のキャラクターへ交代)」等を組合せ、コンボをつないで大ダメージを狙っていくというのが基本的なコンセプトとなる。
その他、フロンティアゲージが溜まると使用可能な「必殺技」や、戦闘コマンドとは別に入力可能な「特殊技」「精神コマンド」といった要素もある。詳細はそれぞれ『使用技/無限のフロンティア』『精神コマンド/無限のフロンティア』を参照。
コンボ編集
敵を地上に落とさず、浮かせたままで攻撃を加え続けている状態が「コンボ」である。
コンボの継続中は右上にヒット数が表示されるが、敵を地上に落してしまうと「!」マークが表示されコンボ終了。ヒット数はそこでリセットされ、再びゼロからのカウントとなる。
コンボを継続出来れば表示ヒット数がどんどん増えて非常に爽快だが、それ以上にコンボの継続には戦略的な意味合いが強いので、模擬戦やザコ戦で経験を重ねてコンボ継続のタイミングをきちんと習得しておく必要がある。コンボの継続によるメリットは概ね下記の通り。
- 1.敵の攻撃BLOCK阻止
- 敵の多くは、攻撃のダメージを一定のヒット回数まで1/10にする「BLOCK行動」を取る。BLOCK行動は攻撃を一定数ヒットさせることで「クラッシュ」し、以後は通常のダメージを与えられるようになる。コンボ継続中は特に問題ないが、敵が地上に落ちた(コンボが途切れた)場合、その都度BLOCK行動を取るため、与ダメージがかなり落ちる。
- 2.敵の強制回避阻止
- ボス格を中心とした一部の敵には「強制回避」の発動率が設定されている。強制回避とは、相手の攻撃を問答無用で強制終了する能力で、上記のBLOCK再生の条件同様、コンボが途切れた場合に都度判定がかかる(しかも一部の敵は攻撃強制ストップに止まらず、「反撃攻撃」による追い打ちまでかけてくる)。従って、強制回避を防ぐためにコンボの継続は必須である。
- 3.クリティカル率上昇
- ヒット数÷10だけクリティカルの発動率が上昇する。このため、単純にコンボ数が増えれば増えるほど攻撃力は上がる。クリティカルの発生如何でダメージ量が大きく変わるアシェンにとっては特に重要。
- 4.フロンティアゲージ上昇
- コンボの直接的な意義ではないが、援護攻撃を使うと「フロンティアゲージ+5」、連続攻撃を使うと「フロンティアゲージ+10」「COM+20」といった恩恵がある。コンボ継続のためにこれらを多様していると、フロンティアゲージの溜まりも早くなり、必然的に必殺技が使用しやすくなる。
戦闘のコツ編集
上述の通り、コンボ継続が戦闘の第一の基本である。
- コンボ継続のコツ
無限のフロンティアEXCEED スーパーロボット大戦OGサーガ編集
ハイスピード・アクティブ・バトルの命名は本作から。
戦闘シークエンスの新規書き起こしにより、その名の通り攻撃のスピード感やアクティブ感は前作から更に向上。更に支援キャラクターの導入による味方パーティーの大幅増加により、カットインやボイスのボリュームも飛躍的に増大し、EXCEEDの名を冠するに相応しい仕上がりとなっている。
また上記のような演出面のみならず、実際の戦闘システムについても。爽快感の増加・コンボの重要度向上といった側面から変更が加えられている。但しシステム面の基本部分は前作を踏襲しているため、前作からの主要な変更点に絞って下記に記載する。
基本操作編集
支援攻撃・強制回避を採用。中でも支援攻撃は重要。
Aボタン | 通常攻撃 (敵ターン、一定条件で)強制回避 |
十字キーの「←」 | 援護攻撃 |
十字キーの「↑」 | 支援攻撃 |
十字キーの「→」 | 連続攻撃 |
Yボタン | 必殺攻撃1 |
Xボタン | 必殺攻撃2 |
Bボタン | 攻撃行動を現在発動中の攻撃で終えることの決定 (強制回避の発動阻止) |
詳細は下記、及び『使用技/無限のフロンティアEXCEED』『精神コマンド/無限のフロンティアEXCEED』の各記事を参照。
支援攻撃編集
本作には総勢10名以上+全6機の「支援専用キャラクター(ユニット)」が登場。
支援キャラクターはメインのキャラクターに対し一対一で備え付けることが可能(事前の隊列編成で準備が必要。戦闘中の交換は出来ないため注意)で、支援キャラクターを付けると以下のようなメリットがある。
- 「支援攻撃」が使用可能になる。支援攻撃は援護攻撃に似た追加攻撃で、通常1ターンに1回、精神コマンド等によっては2回の使用が可能。使用するとフロンティアゲージが5%溜まる。
- 支援攻撃は援護攻撃とは異なり、使用時にSPを消費しない。また、パーティー全員にとっての共通ソースであるため毎回攻撃要員が変わる援護攻撃と異なり、必ず同じキャラクターが攻撃してくれる。このため攻撃のタイミングを取り易い。
- 支援キャラクター毎に「能力上昇効果」「精神コマンドのオート発動効果」が設定されている。能力上昇は自動的に発生。更に毎ターン、確率で精神コマンドがかかり、その恩恵を受けることが出来る。
強制回避編集
前作では敵専用の能力であった強制回避だが、本作では味方も一定条件で使用可能。また、敵機の強制回避発動条件も変更されている。
詳細は別記事「強制回避」を参照。
交代・援護防御編集
前作では戦闘中に前衛4人と後衛の間での変更はできなかったが、今回は「交代」「援護防御」といった形で入れ替えが可能。これらの導入により戦闘におけるアクティブさは一層強化されている。
「交代」は前衛のCOMが30%以上ある場合に使用可能で、前衛キャラと後衛キャラ1名を任意に交代する方法。交代により前衛となったキャラクターはCOM50%となるが、そのまま行動可能。交代で前衛になったキャラを同ターンに再度交代することはできない。攻撃面から回復面まで活用方法は様々だが、例えばアレディが『覇気』を使用し、Fゲージを100%→神夜に交代、『奇跡(COM50%回復効果付き)』の必殺技攻撃・・・といったような、アグレッシブな攻め方も可能となっている。
一方「援護防御」は敵の行動時に使用可能で、敵から一定の単体攻撃(特殊技や必殺技は不可)の攻撃対象となった場合に、後衛最前列にいるキャラクターと交代するかの選択肢が発生。交代するとした場合、後衛が前衛に入れ替わり、攻撃を受けてくれる。援護防御で前衛に出た場合、交代する前衛に行動回が残っていたとしても、行動は必ず次ターンからとなり、またCOMも0%での登場となってしまう※などデメリットも多い。しかし援護防御時は被ダメージが半減し、KOされる心配は(援護側HPがMAXなら)まずなくなるため、要所で活用したい。 ※ターン移行時に50%回復するため実質、「交代」と同様の50%スタートである。
なお、この交代システムのためか、EXCEEDでは前作にあった特定のキャラが前衛に強制参加するバトルはなくなっている。
コンボ(前作からの重要な変更)編集
ハイスピード・アクティブ・バトルの肝であるコンボの部分についてだが、本作では以下の通り重要な変更が加えられている。
- 1.COM回復
- 攻撃の終了時、その敵への攻撃を終了した際に達成していたヒット数に応じて味方全キャラクターのCOMが回復する。回復量は「ヒット数÷10(端数切り捨て)」。
- 尚、敵にトドメを指した場合、以後の追撃(所謂オーバーキル分)についてもヒット数にカウントする。また、敵の強制回避発動により攻撃が強制終了となった場合も、同様にCOM値は回復する。
- 2.フロンティアゲージ上昇
- 戦闘において敵を倒した際、その敵にトドメを刺した際に達成していたヒット数に応じてフロンティアゲージが上昇する。上昇量は「達成ヒット数÷10(端数切り捨て)」。COM値同様、オーバーキル分もヒット数としてカウントする。
- このボーナスは前作から引き続き採用されているものだが、前作ではフロンティアゲージが戦闘毎にリセットされていたのに対し、本作では戦闘終了後もその数値を引き継ぐように仕様変更が行われている。また、必殺技の種類が増えたり特殊技使用のための消費リソースがFゲージに変更されていたりするため、Fゲージを安定的に獲得していくための手段として、この仕様の重要度は前作以上に高まっている。
- 3.SP回復
- 戦闘終了時、その戦闘中に達成した最大コンボ数に応じて味方前衛キャラクターのSPが回復する。回復量は「最大ヒット数÷10(端数切り捨て)パーセント」(100HITなら、各キャラクターとも最大値の10%だけ回復)
これらの要素、特にコンボ数に応じてSPが回復するという新規設定により、一回一回の戦闘を有利に進めるのみならず、戦闘の安定的な継続という点においてもコンボの重要度が飛躍的に高まることとなった。
余談編集
上記の戦闘システム構築において特に意識はされていないと思われるものの、過去のバンプレスト作成のRPG作品には似たような戦闘システムを採用しているものがある。
ヒット数によりSPが回復していく仕組みについては、『ヒーロー戦記』において採用された、攻撃の命中及び敵機の撃破によりTC(テクニカルポイント)が回復するという戦闘システムに近く、ある程度戦闘によってリソースを回復させていくことを念頭に置いてザコ戦をこなしていかなければならない点も概ね同様である。
また、攻撃によってフロンティアゲージが溜まっていくという前作からの設定、及びフロンティアゲージを戦闘後も持ちこすという本作での仕様変更は、ATPと呼ばれる必殺技専用ゲージを採用していた『スーパーヒーロー作戦』のそれに近い。
前述の通り、ハイスピード・アクティブ・バトルの原型は『ナムカプ』の戦闘システムが土台となっているわけだが、『EXCEED』で加えられた変更はバンプレオリジナル作品のDNAも引き継がれ、融合しているとの見方も出来る。