「ニンテンドーDS」の版間の差分
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== 概要 == | == 概要 == | ||
− | + | 任天堂が[[ゲームボーイアドバンス]](以下GBA)の次世代機としてリリースしたゲーム機。携帯型ゲーム機としては第6世代にあたる。 | |
− | + | 上下2面式のディスプレイやタッチスクリーンの採用、マイクによる音声入力の実装などのユーザーインターフェースが特徴。また、専用インターネットサービス「ニンテンドーWi-Fiコネクション」に初めて対応した機種で、手軽なインターネットへの接続を実現した。タッチペンは操作性を分かりやすくするコンセプトの元に実装されており、本体への収納が可能である。 | |
− | + | ゲームを遊ばない層への訴求がなさえれた「脳トレ」を始めとする一大ムーブメントを起こし、多くのヒット作を輩出した事で普及台数は2016年時点で1億5400万台以上を突破しており、任天堂としても最高の販売台数を達成したゲーム機となった。 | |
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+ | ゲームソフトの供給媒体は小型のDSカード(フラッシュメモリROM)で、セーブデータはカード本体に保存する。上位機種の「ニンテンドーDSi」(以下DSi)では内部ストレージを搭載し、Wi-Fiコネクションを介し「DSiウェア」と呼ばれるゲームソフトをダウンロード購入出来る様になった。 | ||
カード容量が増加した事<ref>最大512MBで、CD-ROMとほぼ同容量。</ref>と、動画や音声の高圧縮のミドルウェア<ref>多くのタイトルはフランスのMobliclip社(旧Actimagine社)のコーデックが使用され、他には国内のCRI・ミドルウェア社のコーデックが使用されていた。CRIのコーデックは後年スパロボシリーズでも採用される事となった。</ref>が登場した事で、他社のDS用ソフトではプリレンダリングムービーやボイス付きの作品が多く発売される事になったが、スパロボシリーズではRPG作品の『[[無限のフロンティア]]』シリーズや、リメイク前と同じ演出方法をとった『[[スーパーロボット大戦OGサーガ 魔装機神 THE LORD OF ELEMENTAL]]』を除いて音声の収録は行われていない。 | カード容量が増加した事<ref>最大512MBで、CD-ROMとほぼ同容量。</ref>と、動画や音声の高圧縮のミドルウェア<ref>多くのタイトルはフランスのMobliclip社(旧Actimagine社)のコーデックが使用され、他には国内のCRI・ミドルウェア社のコーデックが使用されていた。CRIのコーデックは後年スパロボシリーズでも採用される事となった。</ref>が登場した事で、他社のDS用ソフトではプリレンダリングムービーやボイス付きの作品が多く発売される事になったが、スパロボシリーズではRPG作品の『[[無限のフロンティア]]』シリーズや、リメイク前と同じ演出方法をとった『[[スーパーロボット大戦OGサーガ 魔装機神 THE LORD OF ELEMENTAL]]』を除いて音声の収録は行われていない。 | ||
− | + | 初代DSと小型化された『ニンテンドーDSLite』(以下DSLite)はGBAスロットを備えており、GBAのソフトも遊べるが、GBAと違い[[ゲームボーイ]]や[[ゲームボーイカラー]]用ソフトは接続できない。ソフト同士が対応している場合、GBAソフトとDSソフトのデータ連動が可能。スパロボシリーズでは「[[Wスロットシステム]]」という形で採用されており、GBA版スパロボをセットしてDS版スパロボをプレイすると様々なボーナスが得られる。なお、このWスロット対応のソフトは対応していないGBAソフトをSLOT2にセットしていた場合にはGBAソフトのセーブデータが破損するケースがあるため、Wスロットの必要の無い場合はSLOT2に何もセットしない事が望ましい。 | |
− | + | 画面解像度は256×192の2画面(いずれも3インチ)であり、ドットバイドットにおけるアスペクト比は4:3。あまり表立っていない特徴として、「処理能力が[[NINTENDO64]]並でありながら、画面解像度が[[ファミリーコンピュータ]]以下」という独特の仕様を持つ。これがスパロボにどう影響するかと言えば、「ドットの描き込みは少なくせざるを得ないが、対してCPUとRAMには余裕があるため、戦闘デモに処理を豊富に割ける」という事を指し、つまりカットインの絵は粗くなるが、それを実際のアニメさながらに動かせるため、高解像度のスパロボに多いトゥイーン処理で生じ易い違和感を解消している。 | |
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− | 画面解像度は256×192の2画面(いずれも3インチ)であり、ドットバイドットにおけるアスペクト比は4:3。あまり表立っていない特徴として、「処理能力が[[NINTENDO64]]並でありながら、画面解像度が[[ファミリーコンピュータ]] | ||
バッテリーは専用ACアダプタによる充電式。初期バージョンではACアダプタがGBASPと共用可能だったが、DSLite以降は各機種専用のものを使用するようになった。 | バッテリーは専用ACアダプタによる充電式。初期バージョンではACアダプタがGBASPと共用可能だったが、DSLite以降は各機種専用のものを使用するようになった。 | ||
− | == | + | == バリエーション == |
;ニンテンドーDS Lite | ;ニンテンドーDS Lite | ||
− | : | + | :セカンドモデル。機能的にはほぼ変わらないが、軽量化され初代DSよりも画面が明るくなり、画面の輝度調整が可能になるなど、細部の仕様が見直された。 |
:最も普及しているタイプ。ハード単体を指す一般的な略称は「'''DSLite'''」。この機種のみACアダプタに互換性があるものがない為、他の機種のACアダプタとの使い回しができないので故障の際は注意が必要である。 | :最も普及しているタイプ。ハード単体を指す一般的な略称は「'''DSLite'''」。この機種のみACアダプタに互換性があるものがない為、他の機種のACアダプタとの使い回しができないので故障の際は注意が必要である。 | ||
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;ニンテンドーDSi | ;ニンテンドーDSi | ||
− | : | + | :サードモデル。画面の大型化・カメラ追加・音楽プレーヤー・SDメモリーカードスロット搭載・専用のDSiウェアダウンロード仕様の実装とそれに伴うWi-Fi通信の暗号方式の追加による本体セキュリティの強化・本体アップデート機能などDSLite以上に変更・強化点が多い。 |
:他方、GBAスロットが廃止されており、これによって同機では[[Wスロットシステム]]が利用不可能となっている(任天堂はDS Liteの販売を継続することで対応していた)。ハード単体の一般的な略称は「'''DSi'''」。 | :他方、GBAスロットが廃止されており、これによって同機では[[Wスロットシステム]]が利用不可能となっている(任天堂はDS Liteの販売を継続することで対応していた)。ハード単体の一般的な略称は「'''DSi'''」。 | ||
− | :DSi専用・DSi共用のソフトがあり、前者はDSi以降の機種でのみ利用できる。後者はDSi以前の機種でも利用可能だが、一部機能が制限される。見分け方はパッケージにDSi専用もしくは共通と記されているが、ソフトのラベルに記されたコードが通常の「NTR-」で始まるのでなく「TWL- | + | :DSi専用・DSi共用のソフトがあり、前者はDSi以降の機種でのみ利用できる。後者はDSi以前の機種でも利用可能だが、一部機能が制限される。見分け方はパッケージにDSi専用もしくは共通と記されているが、ソフトのラベルに記されたコードが通常の「NTR-」で始まるのでなく「TWL-」で始まるソフトにはDSi以降でのみ使用できる要素がある。ちなみに「TWL」が付くソフトにはリージョンが設定されており、国外仕様のDSiでは使えない。逆に海外の「TWL」ソフトも同様。本体更新機能がありプレイにおける快適性の向上や不具合への対処の為であるが、いわゆるマジコン等の違法機器への対策ともされている。 |
;ニンテンドーDSi LL | ;ニンテンドーDSi LL | ||
− | : | + | :DSiのバリエーションで、画面サイズが初代DS・DS Liteの面積比で約2倍である4.2インチに拡大され、視野角も拡がった。その分重量は314gと1.5倍になり、競合機種であるPSPが小型化を進めているのとは対照的である。ハード単体の一般的な略称は「'''DSi LL'''」又は「'''LL'''」。LLという名称は日本でしか浸透していないため(服のサイズなどが元)、海外では「'''XL'''」という名称で販売されている。DSiからはACアダプタに互換性があるものがあり、ニンテンドーWi-Fiアダプタ・ニンテンドーDSi(LL)・ニンテンドー3DSのものが共通して使える。 |
== 次世代機種 == | == 次世代機種 == |
2023年8月7日 (月) 20:47時点における最新版
ニンテンドーDSは、2004年12月2日[1]。に任天堂より発売された携帯型ゲーム機。略称は「DS」あるいは「NDS」。本稿では「DS」と記述する。
概要
任天堂がゲームボーイアドバンス(以下GBA)の次世代機としてリリースしたゲーム機。携帯型ゲーム機としては第6世代にあたる。
上下2面式のディスプレイやタッチスクリーンの採用、マイクによる音声入力の実装などのユーザーインターフェースが特徴。また、専用インターネットサービス「ニンテンドーWi-Fiコネクション」に初めて対応した機種で、手軽なインターネットへの接続を実現した。タッチペンは操作性を分かりやすくするコンセプトの元に実装されており、本体への収納が可能である。
ゲームを遊ばない層への訴求がなさえれた「脳トレ」を始めとする一大ムーブメントを起こし、多くのヒット作を輩出した事で普及台数は2016年時点で1億5400万台以上を突破しており、任天堂としても最高の販売台数を達成したゲーム機となった。
ゲームソフトの供給媒体は小型のDSカード(フラッシュメモリROM)で、セーブデータはカード本体に保存する。上位機種の「ニンテンドーDSi」(以下DSi)では内部ストレージを搭載し、Wi-Fiコネクションを介し「DSiウェア」と呼ばれるゲームソフトをダウンロード購入出来る様になった。
カード容量が増加した事[2]と、動画や音声の高圧縮のミドルウェア[3]が登場した事で、他社のDS用ソフトではプリレンダリングムービーやボイス付きの作品が多く発売される事になったが、スパロボシリーズではRPG作品の『無限のフロンティア』シリーズや、リメイク前と同じ演出方法をとった『スーパーロボット大戦OGサーガ 魔装機神 THE LORD OF ELEMENTAL』を除いて音声の収録は行われていない。
初代DSと小型化された『ニンテンドーDSLite』(以下DSLite)はGBAスロットを備えており、GBAのソフトも遊べるが、GBAと違いゲームボーイやゲームボーイカラー用ソフトは接続できない。ソフト同士が対応している場合、GBAソフトとDSソフトのデータ連動が可能。スパロボシリーズでは「Wスロットシステム」という形で採用されており、GBA版スパロボをセットしてDS版スパロボをプレイすると様々なボーナスが得られる。なお、このWスロット対応のソフトは対応していないGBAソフトをSLOT2にセットしていた場合にはGBAソフトのセーブデータが破損するケースがあるため、Wスロットの必要の無い場合はSLOT2に何もセットしない事が望ましい。
画面解像度は256×192の2画面(いずれも3インチ)であり、ドットバイドットにおけるアスペクト比は4:3。あまり表立っていない特徴として、「処理能力がNINTENDO64並でありながら、画面解像度がファミリーコンピュータ以下」という独特の仕様を持つ。これがスパロボにどう影響するかと言えば、「ドットの描き込みは少なくせざるを得ないが、対してCPUとRAMには余裕があるため、戦闘デモに処理を豊富に割ける」という事を指し、つまりカットインの絵は粗くなるが、それを実際のアニメさながらに動かせるため、高解像度のスパロボに多いトゥイーン処理で生じ易い違和感を解消している。
バッテリーは専用ACアダプタによる充電式。初期バージョンではACアダプタがGBASPと共用可能だったが、DSLite以降は各機種専用のものを使用するようになった。
バリエーション
- ニンテンドーDS Lite
- セカンドモデル。機能的にはほぼ変わらないが、軽量化され初代DSよりも画面が明るくなり、画面の輝度調整が可能になるなど、細部の仕様が見直された。
- 最も普及しているタイプ。ハード単体を指す一般的な略称は「DSLite」。この機種のみACアダプタに互換性があるものがない為、他の機種のACアダプタとの使い回しができないので故障の際は注意が必要である。
- ニンテンドーDSi
- サードモデル。画面の大型化・カメラ追加・音楽プレーヤー・SDメモリーカードスロット搭載・専用のDSiウェアダウンロード仕様の実装とそれに伴うWi-Fi通信の暗号方式の追加による本体セキュリティの強化・本体アップデート機能などDSLite以上に変更・強化点が多い。
- 他方、GBAスロットが廃止されており、これによって同機ではWスロットシステムが利用不可能となっている(任天堂はDS Liteの販売を継続することで対応していた)。ハード単体の一般的な略称は「DSi」。
- DSi専用・DSi共用のソフトがあり、前者はDSi以降の機種でのみ利用できる。後者はDSi以前の機種でも利用可能だが、一部機能が制限される。見分け方はパッケージにDSi専用もしくは共通と記されているが、ソフトのラベルに記されたコードが通常の「NTR-」で始まるのでなく「TWL-」で始まるソフトにはDSi以降でのみ使用できる要素がある。ちなみに「TWL」が付くソフトにはリージョンが設定されており、国外仕様のDSiでは使えない。逆に海外の「TWL」ソフトも同様。本体更新機能がありプレイにおける快適性の向上や不具合への対処の為であるが、いわゆるマジコン等の違法機器への対策ともされている。
- ニンテンドーDSi LL
- DSiのバリエーションで、画面サイズが初代DS・DS Liteの面積比で約2倍である4.2インチに拡大され、視野角も拡がった。その分重量は314gと1.5倍になり、競合機種であるPSPが小型化を進めているのとは対照的である。ハード単体の一般的な略称は「DSi LL」又は「LL」。LLという名称は日本でしか浸透していないため(服のサイズなどが元)、海外では「XL」という名称で販売されている。DSiからはACアダプタに互換性があるものがあり、ニンテンドーWi-Fiアダプタ・ニンテンドーDSi(LL)・ニンテンドー3DSのものが共通して使える。
次世代機種
- ニンテンドー3DS
- 任天堂が2011年2月26日に発売した次世代携帯ゲーム機。詳細については任天堂ホームページを参照のこと。また、既存のDSシリーズのソフトウェアとは互換性を持つため、DS専用ソフトウェアは3DSでも使用できる(この場合、DSモードはDSiと同等)。