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:かつての助手。人類絶滅に際し、彼の手を借りて死亡、ファクターとなった。死ねばどの道ファクターとなったのだが、それでも彼に殺させたのは、自殺で終わるまいとする意地に近いもの。 | :かつての助手。人類絶滅に際し、彼の手を借りて死亡、ファクターとなった。死ねばどの道ファクターとなったのだが、それでも彼に殺させたのは、自殺で終わるまいとする意地に近いもの。 | ||
:アニメ版では実の息子。 | :アニメ版では実の息子。 | ||
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− | : | + | :妻。日常生活では彼女が一家を取り仕切っており、天児は全く頭が上がらなかった。 |
+ | :『UX』では回想シーンで存在のみ示唆。 | ||
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:ラインバレル3人目のファクター。彼との対峙の果て、全てを託す。 | :ラインバレル3人目のファクター。彼との対峙の果て、全てを託す。 | ||
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2022年4月27日 (水) 14:48時点における最新版
城崎天児は『鉄のラインバレル』の登場人物。
城崎天児 | |
---|---|
読み | きざき あまがつ |
登場作品 | |
声優 | 田中正彦 |
デザイン |
下口智裕(原作漫画版) 平井久司(アニメ版) |
初登場SRW | スーパーロボット大戦UX |
SRWでの分類 | パイロット(ラインバレル・アマガツ名義) |
プロフィール | |
---|---|
種族 | 地球人(日本人) |
性別 | 男 |
所属 | なし |
概要編集
『鉄のラインバレル』に登場するキーキャラクター。原作・アニメ双方において、比重の差はあるが全ての始まりとなった人物である。
原作漫画版編集
絵美の父であり、ラインバレルの真のファクターたる男。少々抜け気味かつ面倒くさがりな性格で、妻・優子に頭が上がらない。その一方で天才的な科学者であり、ナノマシンとマキナを開発している。ある意味、全てを始めた元凶とも言える人物。
自らの開発したナノマシンにより、死から解放された人類が想像力を失い自滅していく中、それを逃れる方法を模索していた。しかし、遺伝子に刻まれた情報はどうにもならないことを知った天児は、その後マキナの原則を逆用し、ナノマシンによって共生する専属パイロットの概念を創り上げた。これがファクターである。その後、自殺では絶対に終わるまいと加藤に自らを殺害させ、全てのマキナを破壊すべく、最後に作り上げた最強のマキナ・ラインバレルのファクターとなった。
ラインバレルを開発した理由は本人曰く「世界を壊すため」であり、壮絶な戦いにたった一人で挑む。しかし、度重なる激闘や連続転送の負荷(カウンターナノマシンで軽減されるとはいえ、ゼロには決してならない)により、肉体が徐々に崩壊。ついに人としての限界を迎えたことで、脳髄のみをバイオユニット「アーク」に保存、ラインバレルの電脳を取り除いた上でアークを接続し一体となった。
その後は「やり直された世界」において、ラインバレルの中で眠りについていたが、長崎にある加藤機関のプラント(実際はキリヤマ重工の造船所)を特務室が襲撃した際、加藤が新たに製造したアルマが現れたことが切っ掛けとなり、ラインバレルの真の姿を現す。覚醒後、自身と対峙しようとする浩一を迎え入れ、未来世界が滅んだ真相、即ち想像力喪失による自滅のことを告げる。自身が死した後には絵美に全てを託すつもりだったが、対峙した浩一に「アンタのいた世界に俺がいたかよ? アンタには一緒に戦ってくれる仲間がいたのかよ!?」と問われ、浩一の覚悟を確かめた後、彼に全てを託して消滅。残っていた脳髄も崩壊し、今度こそ本当にこの世を去った。
残された謎編集
だが、彼の死後には幾つかの謎が残された。主なものは、
- 「プロトタイプ・ラインバレルを現在の姿(=沢渡いう所の「二本角」)に改修した経緯」
- 「肉体を失った天児の脳をアークに移植し、ラインバレルの電脳と入れ替えた人物の正体」
の二つである。前者については、天児がヒトマキナについて浩一に示唆するシーンで、左半身を吹き飛ばされながらも戦っている姿が映し出されるのだが、この時乗っていたのがラインバレル・オーバーライドであった。このため、改修については、少なくとも天児自身が(誰か他のファクターの協力もあったと思われるが)行った可能性が高い。
後者については、第17巻巻末の設定資料にて言及されているのみであり、本編中でそのことが話題に上ったことはない。これに伴い、天児をラインバレルそのものとした人物については完全に謎だが、時系列的にこの時点では地上に居なかった久嵩がその事を知っていた点から、彼の知る人物か、あるいは何らかの方法で彼が行った可能性もある。第25巻では浩一が天児と同じ状態で覚醒した時に最初に見たのが推進派達だった事から、天児が肉体を持っている時点で推進派がいた可能性がある(無論、他のファクターの協力の可能性もある)。
そして最大の謎は、「天児はなぜ死んだのか」である。この時の天児は脳髄のみとはいえ、ラインバレルの固有ナノマシンを持つファクターであることには違いなかった。これは、ラインバレル・アマガツ覚醒時、操縦席の浩一の制御を全く受け付けなかったことからも伺える。ファクターの死とは、マキナの完全な破壊か、修復不可能なまでに肉体が破壊されるかのどちらかとなる。しかし、天児はラインバレルが健在であり、自身も肉体を失っていたとはいえ脳が無事であったため、普通ならば死ぬはずはなかった(事実、レイチェルは天児の死に関し、「脳だけの状態だったからでは?」との問いに対し「関係ない」と断言している)。にも拘わらず、彼は浩一との対話を終えた後死亡している。この理由については全く以って不明。天児本人は「肉体を失った理由」については少しだけ話したが、自身の命が消えていく理由については全く語らずに舞台から退場してしまい、手掛かりは現在の所ない。
だが、推測の材料は存在する。それは、マキナの特性と原則、そしてラインバレルと天児の関係である。マキナには「無人の状態では人を攻撃できない」「ファクターは一機につき一人」「ファクターの生命維持を最優先する」「何らかの理由で無人のまま人を殺害した場合、その人物をファクターとする」といった原則が存在する。ポイントは、これらの原則はマキナの頭脳=意思決定を担う電脳に登録されているというコトである。ラインバレルは前述の通り電脳を持たず、代わりに天児自身の脳がその役割を代行していた。これにより、ラインバレルにはファクターが天児含め三人も存在するなど、原則を無視した非常識な現象を普通に発生させていた。
しかし、この事実を裏返すとラインバレルにはマキナの原則が存在しない、適用もされない→ファクターの生命維持を最優先しないという現象が透けて見える。浩一や絵美の存在を含めて考えるに、生命維持が適用されないのは「真のファクター(=ラインバレル自身)」のみであろうと考えられる。もっとも天児自身の発言からすると、サブ電脳による最低限の保護はあると考えられる(それでは戦闘の負担を軽減しきれなかった、というコトなのだろうが)。
アニメ版編集
久嵩や絵美からその存在が語られるのみ。統一意志セントラルの侵略兵器としてマキナを開発した後、それを破壊するためのカウンターとしてラインバレルを製造。その後、セントラルへの潜入を試みる久嵩に対し、自らを殺させることでセントラルを欺いた。結果的にこれは成功したが、同時に久嵩と絵美の間に確執を生むことになってしまった。
登場作品と役柄編集
携帯機シリーズ編集
- スーパーロボット大戦L
- アニメ版準拠であるため、本人は登場しない。久嵩や絵美からその存在が語られるにとどまっている。
- スーパーロボット大戦UX
- 初登場作品。原作漫画版設定。ボイスは収録されていないものの、今回はちゃんとキャラクターとして登場。第34話「始まりへの加速」では原作漫画版以上の無茶苦茶な暴れっぷりを見せてくれる他、後半では久嵩と再び対話する場面も。
- 終盤戦ではリチャードやエンネアと共に、UXを導く「意志」の一つとして何度か顔を見せる。
単独作品編集
- スーパーロボット大戦Card Chronicle
- イベント「未来へ繋ぐ想い」に登場、多元宇宙迷宮で浩一らを導く。
パイロットステータス編集
ラインバレル・アマガツとしてのものを記載。
能力値編集
全ての能力が無茶苦茶な高さを誇る。特に活性率に至っては最大160%という常識はずれの高さを誇り、こうなると与ダメージの8割を回復されてしまう。
特殊スキル編集
人間関係編集
他作品との人間関係編集
名台詞編集
- 「僕は二番目に絶望した人間」
「そしてナノマシンとマキナを生み出し人類を絶滅に導いた張本人―――」
「僕が城崎天児だ」 - 「彼方からの接触」にて、ラインバレルの電脳世界に入り込んだ浩一の前に現れて。
- 「これが人類(あるじ)を失った、愚かしいほど健気な機械達の末路だ」
- 同話の〆、マキナ同士の戦いを浩一に垣間見せて曰く。
- 「あ~~~~、やっぱりめんどくさいな~~~~」
- 回想シーン、マキナに関する会議に向かう途中のボヤキ。素の天児は結構な面倒がりらしく、この時同行していた加藤は「少しはやる気になってください」と呆れていた。ちなみにこの前の場面でも久嵩に「大事な会議」と言われたのにもかからず「相手さん方にとって大事なのであって、僕には大事でもなんでもない」と言い返している。
- 浩一「じゃあ城崎のお母さんも……」
天児「そう、自殺だったよ」
「この時にはまだファクターの概念も存在していなかったからね……どちらにせよ『何もかもが手遅れ』でどうするコトも出来なかったんだ」 - 妻・優子の死の場面にて。「何もかもが手遅れ」という言葉の意味は、後に浩一自身が明らかにしている。
- 「人を救うために生み出した僕の技術が愛する人間を死に追いやるなんて……全く想像もしていなかったよ」
- その事態に曰く。全てを終わらせ、全てを始めたのは、一人の人間の想像力のなさだったのだ。
- 加藤「無理です! やっぱりこんなコト、自分にはできません!!!」
天児「頼む加藤君…こうするしかないんだ!!」
加藤「………ですが――」
天児「何時、僕の中でスイッチが入るか分からない、現にこうしている今にも……」
「…だから固有ナノマシンの移植なんてしている時間は無い!」
「僕が今ファクターになるには、こうするしかないんだ!! …分かってくれ…」
加藤「……」
天児「君には残酷なコトを頼んでいるのは分かっている…本当に申し訳ない…… でもこんなコト、キミにしか頼めない」
「僕にはもう絵美とキミしかいないんだ…」
加藤「…… 先生…」
天児「お願いだ加藤君 僕を――僕まで自殺なんかで終わらせないでくれ」
加藤「先生……自分は…自分は」
天児「分かっているよ加藤君。僕ら家族もキミが居てくれたお陰で幸せな時間を過ごせたよ。――本当にありがとう」 - 加藤との最後の会話。プロトタイプ・ラインバレルの前で辺り一帯が炎に包まれており、足元の家族写真が灰になっていく様が印象的。この会話の直後、言われた通りに射殺するのだがその場面を絵美に見られてしまったコトから真の物語が始まる…。
- 「――――何故僕がラインバレルのファクターになったか」
「それは―――世界を壊すためさ」 - 「世界を壊した男」の締め括りにて。
- 「…やめろ…やめろォォォォ!!」
- ファクターを求め人の死体をコクピットに詰め込むマキナ達を見て。これを皮切りに、天児はたった一人、絶望的な戦いに身を投じることになる……。
- 「全く勘違いも甚だしいなぁ。これは僕の戦いだ、君の戦いではない」
- 要領を得ない解答に詰めよる浩一に対して。
- 天児「僕が戦っていたあのマキナ達にファクターは存在しない」
浩一「え?だってマキナには原則があって、人間には危害を加えられないハズじゃ……」
天児「ヤツラは『人間』だ」
「抑制のために原則を課したがゆえ、マキナ達は主を求め自らの存在意義をも求めた……結果マキナの一部が人間になり、それこそが―――」
「人類絶滅の真相であり、マキナ殲滅の理由だ」 - マキナとの戦いについて曰く。後にこの話を浩一から聞いた森次は「マキナは機械であり、使ってくれる人間がいてこその存在。ゆえに、マキナの中から主たる人間を造り出そうとした」と推論しているが、「人類絶滅の真相」というフレーズについては未だ不明。人類絶滅とは、自滅スイッチによるものだけではなかったのだろうか……。
- 「キミこそいい加減にしてくれ!青臭い正論ばかり翳して…理想で世界は救えないんだ!!」
- 世界に絶望した天児は浩一に対して正義を否定し反論する。しかし持論を曲げない「正義の味方」は言い返した。「理想がなくて世界が救えるか!!」
- 「浩一クン。僕にも……キミが正義の味方であることを望ませてくれないか」
「だから壊してくれ……マキナ達の造った世界を」
「娘を…絵美をよろしく頼むよ」 - 浩一に全てを託して、加藤に対しての遺言を預けた後の別れ際……。
- 天児「僕は本当に酷い人間だ……皆から沢山のモノを奪っただけでなく、最後に彼の未来まで奪ってしまった」
ナノ「そうねェ。ラインバレルの真のファクターになるってコトがどういうコトか」
マシン「それを知らずに彼は博士から受け継いでしまったんだからね」 - 浩一を送り出した直後。「真のファクター」となったことで、浩一の未来は奪われたという。
- 最新話においては、「真のファクター」となった浩一が「正義の味方をやるには俺の体は脆すぎる」と述べているが、その意味は……。
- 天児「本当に、これで良かったのかな」
優子「これで良かったんですよ」
天児「優子…」
優子「アナタは浩一君に――次の人類に可能性を与えたんですから」
天児「可能性か…でも、それは僕も彼から与えられたからだよ」
「…絶望だけだったこんな僕にも彼は与えてくれたんだ」
優子「そうですね」
天児「僕ら大人が希望を持たなければ子どもたちに可能性は生まれない」
「――可能性が失われた世界で人類が救えるワケがない。…そんな単純なコトに気づかなかったとはね」
優子「最後に気づかせて貰えたじゃないですか」
天児「そうだね」
優子「今まで本当にご苦労様でした」
天児「うん」 - 浩一を現実に送り返し、朽ちていくアークの中で。絶望の中にようやく希望を見出した男は、妻に手を取られ、今度こそ永久に世界から姿を消した……。
スパロボシリーズの名台詞編集
搭乗機体・関連機体編集
- ラインバレル
- 本機のファクター。
- ラインバレル・アマガツ
- ラインバレルの真の姿。
- マキナ各種
- これらの機体を製造した。