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== 概要 ==
 
== 概要 ==
 
=== 機体概要 ===
 
=== 機体概要 ===
[[OZ]]を出奔した[[ドクターJ]]ら5人の技師が、[[トールギス]]を基に設計した試作型モビルスーツ。
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[[OZ]]出奔後の[[ドクターJ]]たちが[[トールギス]]を基に設計した試作型モビルスーツ。
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[[オペレーション・メテオ]]のガンダム5機の原型(アーキタイプ)であると同時に、背中に翼状のバインダー(二つに展開する)が付いた外見や装備、「機動性を中心にバランスの取れた汎用機」というコンセプトは後にドクターJが設計した[[ウイングガンダム]]に酷似している。いわば、'''オリジナル・ウイングガンダム'''だが、ウイングを初めとしたオペレーション・メテオ用機体が地上用に開発されたのに対し、本機は宇宙戦を主体としており、更に地上でも未調整のまま力を発揮した。
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[[オペレーション・メテオ]]のガンダム5機の原型=アーキタイプであると同時に背中に翼状のバインダー(2つに展開する)が付いた外見や装備、「機動性を中心にバランスの取れた汎用機」というコンセプトは後にドクターJが設計した[[ウイングガンダム]]に酷似している'''オリジナル・ウイングガンダム'''でもある。その性能はプロペラントと武装と装甲を除いたフレームのみでトールギス以上の性能を持ち、さらにトールギスもう1機分以上の装甲と武装追加も可能となっている。
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最大の特徴は、機体管制システムとしてあらゆる[[予知|未来予測]]を導き出し、それをパイロットに教える'''[[ゼロシステム]]'''を搭載していることにある。だがこのシステムは暴走の危険性が高く、しかもドクターJが「コロニーの1つや2つは沈む」と述べたような戦闘力を発揮する代物であった。技師たちはその危険性から本機体の開発は設計段階で終了させ、ペーパープランのままにしていた。
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最大の特徴は機体管制システムとして、あらゆる[[予知|未来予測]]を導き出し、それをパイロットに教える'''[[ゼロシステム]]'''を搭載していることにある。だが、このシステムは暴走の危険性が高く、ドクターJが「コロニーの1つや2つは沈む」と述べたような戦闘力を発揮する代物であった。ゆえにドクターグループは当時の技術の問題以上に暴走による危険性から本機体の開発は設計段階で終了させ、ペーパープランのままにしていた。
その性能はプロペラントと武装と装甲を除いたフレームのみでトールギス以上の性能を持ち、更にトールギスもう1機分以上の装甲と武装追加も可能となっている。
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それから十数年後、父親を殺されて怒りに自分を失った[[カトル・ラバーバ・ウィナー]]が、H教授が残していた設計案の1つをウィナー家の財力で完成させてしまったのが、テレビ版のストーリーに登場するウイングガンダムゼロである。
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それから15年後、[[カトル・ラバーバ・ウィナー]]が父の仇を討たんとH教授が[[ガンダムサンドロック]]の設計データ内に隠していた本機のデータをウィナー家の財力で完成させ、ウイングガンダムゼロは15年の時を経て、日の目を見るのであった。
    
==== ネオ・バード形態 ====
 
==== ネオ・バード形態 ====
[[変形]]した巡航形態。「ネオ」とついているが、実際はウイングガンダムのバード形態のオリジナル。変形システムも大まかな点では同じ。
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[[変形]]した巡航形態。
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ウイングガンダムと同様に腕部がランディングギアになるため、バード形態のまま着陸も可能(総集編の新規映像で確認できる)。
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ウイングガンダムのバード形態のオリジナルゆえに変形機構も酷似している
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ウイングのバードモード同様に腕部がランディングギアになる為、着陸も可能(総集編の新規映像で確認できる)
    
=== 劇中での活躍 ===
 
=== 劇中での活躍 ===
本機に搭乗したカトルは憎しみの心からゼロシステムに取り込まれたままウイングガンダムゼロでOZ宇宙軍やOZを受け入れたコロニーに攻撃を仕掛けていく。
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本機に搭乗したカトルは復讐心からゼロシステムに取り込まれたままウイングガンダムゼロでOZ宇宙軍やOZを受け入れたコロニーに攻撃を仕掛けていく。
 
[[ヒイロ・ユイ]]の[[メリクリウス]]と対戦・戦闘不能に追い込むが[[トロワ・バートン]]の捨て身の[[説得]]でカトルはゼロシステムから解放された後、ウイングガンダムゼロはOZに鹵獲された。
 
[[ヒイロ・ユイ]]の[[メリクリウス]]と対戦・戦闘不能に追い込むが[[トロワ・バートン]]の捨て身の[[説得]]でカトルはゼロシステムから解放された後、ウイングガンダムゼロはOZに鹵獲された。
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[[宇宙]]空間に放棄されていたところを損傷した[[トールギス]]を自爆させた際に[[ゼクス・マーキス]]が乗り換える。放棄されていたのはゼクス抹殺を図ったOZ側の罠だったのだが仕掛けた爆薬は重装甲の当機体には無意味だった為、OZ側の追手はウイングゼロに乗ったゼクスによって撃破された。
 
[[宇宙]]空間に放棄されていたところを損傷した[[トールギス]]を自爆させた際に[[ゼクス・マーキス]]が乗り換える。放棄されていたのはゼクス抹殺を図ったOZ側の罠だったのだが仕掛けた爆薬は重装甲の当機体には無意味だった為、OZ側の追手はウイングゼロに乗ったゼクスによって撃破された。
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[[サンクキングダム]]において、ヒイロの[[ガンダムエピオン]]と交戦、お互いゼロシステムやシステムエピオンに取り込まれた極限の中の戦いで両機共に負荷で戦闘続行不能になり、引き分けに終わる。そして、ヒイロの提案から機体を交換。主人公ヒイロの乗機となって、物語の終盤に活躍することとなる。
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[[サンクキングダム]]において、ヒイロの[[ガンダムエピオン]]と交戦、お互いゼロシステムやシステムエピオンに取り込まれた極限の中の戦いで両機共に負荷で戦闘続行不能になり、引き分けに終わる。そして、ヒイロの提案から機体を交換。ようやく、主人公ヒイロの乗機となった。小説版では戦後は平和の象徴として、誕生の地であるL4コロニーに祀られる。
    
この機体には最終的にガンダムパイロット5人が最低1度以上搭乗しており、皆ゼロシステムを経験しているが最終的にゼロシステムを使いこなせたと言えるのは同質のシステムを備えたエピオンに搭乗経験のあるヒイロだけであった。
 
この機体には最終的にガンダムパイロット5人が最低1度以上搭乗しており、皆ゼロシステムを経験しているが最終的にゼロシステムを使いこなせたと言えるのは同質のシステムを備えたエピオンに搭乗経験のあるヒイロだけであった。
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[[OVA]]『[[新機動戦記ガンダムW Endless Waltz]]』ではカトキハジメ氏の手によって、デザインが刷新され、変形機構を排し、巨大な羽を備えた[[ウイングガンダムゼロカスタム|EW版のウイングガンダムゼロ]]となったが[[漫画]]『新機動戦記ガンダムW Endless Waltz 敗者たちの栄光』ではストーリー展開が変更されている。
 
[[OVA]]『[[新機動戦記ガンダムW Endless Waltz]]』ではカトキハジメ氏の手によって、デザインが刷新され、変形機構を排し、巨大な羽を備えた[[ウイングガンダムゼロカスタム|EW版のウイングガンダムゼロ]]となったが[[漫画]]『新機動戦記ガンダムW Endless Waltz 敗者たちの栄光』ではストーリー展開が変更されている。
まず、カトルがカトルがH教授の設計図を基に建造・搭乗した機体はカトキ氏が大河原邦男氏によるTV版をEW版のプロポーションで再現したウイングガンダム'''プロトゼロ'''として登場。TV版同様の経緯で搭乗したトラントがゼロシステムの精神負荷に耐え切れず自爆させてしまうが頑丈さからフレームは無事だった為、回収した[[ハワード]]が当時支援していたゼクスの新たな機体として、それまで搭乗していたトールギスF(フリューゲル)のウイングバインダーなどを移植し、EW版ウイングガンダムゼロへと改修。そして、TV版の経緯でヒイロに渡るという展開を辿った。
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まず、カトルがH教授の設計図を基に建造・搭乗した機体はカトキ氏が大河原邦男氏によるTV版をEW版のプロポーションで再現したウイングガンダム'''プロトゼロ'''として登場。TV版同様の経緯で搭乗したトラントがゼロシステムの精神負荷に耐え切れず自爆させてしまうが頑丈さからフレームは無事だった為、回収した[[ハワード]]が当時支援していたゼクスの新たな機体として、それまで搭乗していたトールギスF(フリューゲル)のウイングバインダーなどを移植し、EW版ウイングガンダムゼロへと改修。そして、TV版の経緯でヒイロに渡るという展開を辿った。
    
プロトゼロの外見は先述通りほぼTV版同様でバード形態への変形も可能。ウイングバインダー内部にネオバード形態用の副翼が収納されているなどの設定も追加されている。そして、漫画版のEW版ゼロもトラントの自爆で失われたシールドが用意された際に変形システムが復元されている。
 
プロトゼロの外見は先述通りほぼTV版同様でバード形態への変形も可能。ウイングバインダー内部にネオバード形態用の副翼が収納されているなどの設定も追加されている。そして、漫画版のEW版ゼロもトラントの自爆で失われたシールドが用意された際に変形システムが復元されている。
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=== [[旧シリーズ]] ===
 
=== [[旧シリーズ]] ===
 
;{{参戦作品 (メカ)|スーパーロボット大戦F完結編}}
 
;{{参戦作品 (メカ)|スーパーロボット大戦F完結編}}
:初登場作品。終盤シナリオ「悲しみのカトル」で、暴走したカトルが搭乗し敵として出現。途中から現れ、'''いきなりマップ上のコロニーに[[MAP兵器]]ツインバスターライフルを打ちかます'''。巻き込まれたユニットにも容赦なくダメージが入る。敵となる本機は基本性能こそ味方時のものだが、全項目フル[[改造]]・カトルは暴走補正で能力上昇&[[2回行動]]解禁済。強力な遠距離攻撃やMAP兵器を喰らわされる前に、アウトレンジ攻撃か[[必中]]をかけた[[必殺武器]]で確実に仕留めたい。その後の扱いはルートによって変わる。[[ディバイン・クルセイダーズ|DC]]ルート「翻る叛旗」では本機出現時にヒイロ&トロワが生存していれば戦わないで済むが、どちらかだけでもやられている場合は'''出現直後に一番近くの自軍ユニットの隣まで直行してMAP兵器ローリングバスターライフルを打ちかます'''という暴挙をしでかしてくる。同ルートではヒイロ達を仲間にできないが、彼らを守る事が[[ロンド・ベル]]を守る事にもなる。[[ポセイダル軍|ポセイダル]]ルート「砂上の楼閣」ではヒイロ&トロワと共に規定ターンまで生存させておく事でヒイロ達の加入フラグを満たせるが、同シナリオでは改造段階がガタ落ちしており非常に脆く、攻略が遅れるとポセイダル軍やヒイロら[[NPC]]に撃墜される危険性が高い。
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:初登場作品。本作のみ「ウイングガンダム0」名義。終盤シナリオ「悲しみのカトル」で、暴走したカトルが搭乗し敵として出現。途中から現れ、'''いきなりマップ上のコロニーに[[MAP兵器]]ツインバスターライフルを打ちかます'''。巻き込まれたユニットにも容赦なくダメージが入る。敵となる本機は基本性能こそ味方時のものだが、全項目フル[[改造]]・カトルは暴走補正で能力上昇&[[2回行動]]解禁済。強力な遠距離攻撃やMAP兵器を喰らわされる前に、アウトレンジ攻撃か[[必中]]をかけた[[必殺武器]]で確実に仕留めたい。その後の扱いはルートによって変わる。[[ディバイン・クルセイダーズ|DC]]ルート「翻る叛旗」では本機出現時にヒイロ&トロワが生存していれば戦わないで済むが、どちらかだけでもやられている場合は'''出現直後に一番近くの自軍ユニットの隣まで直行してMAP兵器ローリングバスターライフルを打ちかます'''という暴挙をしでかしてくる。同ルートではヒイロ達を仲間にできないが、彼らを守る事が[[ロンド・ベル]]を守る事にもなる。[[ポセイダル軍|ポセイダル]]ルート「砂上の楼閣」ではヒイロ&トロワと共に規定ターンまで生存させておく事でヒイロ達の加入フラグを満たせるが、同シナリオでは改造段階がガタ落ちしており非常に脆く、攻略が遅れるとポセイダル軍やヒイロら[[NPC]]に撃墜される危険性が高い。
 
:ポセイダルルートでのみ、以上を含む[[隠し要素/F・F完結編#ガンダムWチーム&ウイングガンダムゼロ|隠し要素]]で条件を満たす事でヒイロと共にようやく自軍に参加。[[アマンダラ・カマンダラ|ポセイダル]]との決戦中に、カトルの[[ガンダムサンドロック改|サンドロック改]]と共に駆けつけてくれる。全項目6段階[[改造]]済。
 
:ポセイダルルートでのみ、以上を含む[[隠し要素/F・F完結編#ガンダムWチーム&ウイングガンダムゼロ|隠し要素]]で条件を満たす事でヒイロと共にようやく自軍に参加。[[アマンダラ・カマンダラ|ポセイダル]]との決戦中に、カトルの[[ガンダムサンドロック改|サンドロック改]]と共に駆けつけてくれる。全項目6段階[[改造]]済。
 
:[[ウイングガンダム|デチューン機]]に比べバスターライフルの燃費こそ悪化したが、[[射程]]が8に伸びた上に攻撃力も大きく上昇。MAP兵器の範囲も大きく拡がり、[[運動性]]も[[ガンダムF91]]と同値にまで大幅に改善。頼もしい攻撃性能を獲得したと言える。
 
:[[ウイングガンダム|デチューン機]]に比べバスターライフルの燃費こそ悪化したが、[[射程]]が8に伸びた上に攻撃力も大きく上昇。MAP兵器の範囲も大きく拡がり、[[運動性]]も[[ガンダムF91]]と同値にまで大幅に改善。頼もしい攻撃性能を獲得したと言える。
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=== 単独作品 ===
 
=== 単独作品 ===
 
;{{参戦作品 (メカ)|スーパーロボット大戦64}}
 
;{{参戦作品 (メカ)|スーパーロボット大戦64}}
:カトルの暴走はイベント中で終始するので戦う事はない。遠距離武器のツインバスターライフルが強力で、本作ではヒイロたちの[[2回行動]]も早いので主力で使える。しかしカスタム化のデメリットが無いので早々にウイングガンダムゼロカスタムにされてしまうかも。この頃はまだゼロシステムは特殊能力として扱われていない。
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:カトルの暴走はイベント中で終始するので戦う事はない。代わりに完全平和ルートのみ、サンクキングダムでゼクスが操縦する本機と戦う機会がある。遠距離武器のツインバスターライフルが強力で、本作ではヒイロたちの[[2回行動]]も早いので主力で使える。ただし、ウイングゼロはカスタム化のデメリットが変形できなくなることだけ(変形せずとも飛べるので事実上無い)ので、早々にウイングガンダムゼロカスタムにする人が多いだろう。
 
;{{参戦作品 (メカ)|スーパーロボット大戦Operation Extend}}
 
;{{参戦作品 (メカ)|スーパーロボット大戦Operation Extend}}
 
:ヒイロが最初から当機に乗って参戦。Ver.1.03パッチで大きく性能が強化されている。このときにローリングバスターライフル(本作では自機中心型の[[マップ兵器]])が移動後使用可能になっている。
 
:ヒイロが最初から当機に乗って参戦。Ver.1.03パッチで大きく性能が強化されている。このときにローリングバスターライフル(本作では自機中心型の[[マップ兵器]])が移動後使用可能になっている。
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;XFT-W-02 ウィンテッド
 
;XFT-W-02 ウィンテッド
 
:『[[機甲武装Gブレイカー|サンライズ英雄譚シリーズ]]』に登場したFT。本機によく似たデザインをしている。2丁のバスターライフルを装備する他、バードモードに変形しての「CSysファイアバード」という必殺技を持つ。
 
:『[[機甲武装Gブレイカー|サンライズ英雄譚シリーズ]]』に登場したFT。本機によく似たデザインをしている。2丁のバスターライフルを装備する他、バードモードに変形しての「CSysファイアバード」という必殺技を持つ。
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== 余談 ==
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*ウイングガンダムと違って、不遇なイメージは薄いウイングガンダムゼロであるが[[SDガンダム]]シリーズの『超SD戦国伝 武神輝羅鋼』(未参戦)でウイングゼロがベースの主人公 '''天零頑駄無'''は大将軍形態の'''輝神大将軍獅龍凰'''の素体がどういうわけか'''天零の師匠にして、前作主人公の[[ゴッドガンダム|武者號斗丸]]'''が用いられたという不遇が見られる。
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**天零は號斗丸が同化したことで蘇生し、獅龍凰も2人で動かしているので號斗丸の大将軍形態でもあるという一応の理由付けはあるのだが…
    
== 商品情報 ==
 
== 商品情報 ==
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