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ジャブロー(Jaburo)とは、『[[機動戦士ガンダム]]』に登場する施設。
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ジャブローとは、『[[機動戦士ガンダム]]』に登場する施設。
    
== 概要 ==
 
== 概要 ==
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=== 経緯 ===
 
=== 経緯 ===
地球連邦軍の本拠地であるジャブローは、[[一年戦争]]時におけるジオン公国軍が挙行した「ブリティッシュ作戦」([[コロニー落とし]])の目標だったが、失敗に終わっている。続くジオン側の第二次降下作戦でジャブロー防衛の最大要衝であったキャリフォルニアベースが占領されると、首根っこを抑えられる形となり、ここから出撃する[[ガウ]]部隊による高高度絨毯爆撃に晒され続けた。しかし、それでもその堅牢さによって確たる損害を負う事も無く、ジオン側を悩ませている。
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地球連邦軍の本拠地であるジャブローは、[[宇宙世紀]]0079年の[[一年戦争]]時におけるジオン公国軍が挙行した「ブリティッシュ作戦」([[コロニー落とし]])の目標だったが、失敗に終わっている。続くジオン側の第二次降下作戦でジャブロー防衛の最大要衝であったキャリフォルニアベースが占領されると、首根っこを抑えられる形となり、ここから出撃する[[ガウ]]部隊による高高度絨毯爆撃に晒され続けた。しかし、それでもその堅牢さによって確たる損害を負う事も無く、ジオン側を悩ませている。
    
その後、[[ホワイトベース隊]]を追跡してきた[[シャア・アズナブル]]率いるジオン公国軍の特殊部隊「マッドアングラー隊」によってジャブローの出入り口を把握され、ジャブロー内部に攻め込まれてしまう。その際には[[ガウ]]が大挙して押し寄せ、[[ザク]]や[[グフ]]が大地に降り立ち、[[ズゴック]]や[[アッガイ]]といった水陸両用モビルスーツが内部に潜入した。しかし、ジャブローの対空防衛網で半数近いモビルスーツが撃ち落とされてしまい、内部侵入を果たした機体もホワイトベース隊等の奮戦等によって、撃退された。ジオン公国軍はジャブロー攻略の糸口を掴めないまま攻め倦んでしまい、大した戦果を挙げる事無く戦力が低下したため撤退。ジャブロー侵入作戦は失敗に終わった。
 
その後、[[ホワイトベース隊]]を追跡してきた[[シャア・アズナブル]]率いるジオン公国軍の特殊部隊「マッドアングラー隊」によってジャブローの出入り口を把握され、ジャブロー内部に攻め込まれてしまう。その際には[[ガウ]]が大挙して押し寄せ、[[ザク]]や[[グフ]]が大地に降り立ち、[[ズゴック]]や[[アッガイ]]といった水陸両用モビルスーツが内部に潜入した。しかし、ジャブローの対空防衛網で半数近いモビルスーツが撃ち落とされてしまい、内部侵入を果たした機体もホワイトベース隊等の奮戦等によって、撃退された。ジオン公国軍はジャブロー攻略の糸口を掴めないまま攻め倦んでしまい、大した戦果を挙げる事無く戦力が低下したため撤退。ジャブロー侵入作戦は失敗に終わった。
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ジオン公国軍のジャブロー侵入作戦は「オデッサ敗北後の劣勢となったミリタリーバランスを崩す事が目的」だったが、結果的にジオン側の戦力が一方的に消耗する戦闘となったため、ジオン地球侵攻軍は更に追いつめられる事になる。
 
ジオン公国軍のジャブロー侵入作戦は「オデッサ敗北後の劣勢となったミリタリーバランスを崩す事が目的」だったが、結果的にジオン側の戦力が一方的に消耗する戦闘となったため、ジオン地球侵攻軍は更に追いつめられる事になる。
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[[グリプス戦役]]時には、[[ティターンズ]]の本部になっていたが、既に空き家状態で引き払っていた。[[エゥーゴ]]に痛手を負わせるため、[[自爆]]用の[[核ミサイル|核]]を発動させ、ジャブローは基地施設の心臓部が破壊され、壊滅的ダメージを受けた。戦闘後にティターンズの広報は「'''エゥーゴとカラバがジャブロー基地内部でクーデターを実行したが、基地の制圧に失敗したため、自爆用核爆弾を使用してジャブローを破壊した'''」と発表したため、多くのティターンズ将兵はエゥーゴをジオンの再来として危険視した。その後、[[宇宙世紀]]0092年に地球連邦軍はチベットの[[ラサ]]に本部を移動する事になった<ref>ただし、'''[[核ミサイル|核爆発]]によって壊滅的ダメージを受けたのは司令部のみに留まっており、ジャブローのその他の[[施設]]は無傷のまま'''である。なお、[[エゥーゴ]]対ティターンズのジャブロー攻防戦の場面には[[MSV]]出典の機体が多く確認でき、ちょっとしたファンサービスとなっているが、それは「[[地球連邦軍]]・[[ティターンズ]]の司令部とされていたにも関わらず[[二軍|二線級の兵器]]しか配置されていない」事になるため、暗に「捨石」である事を示している。</ref>。
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宇宙世紀0083年の[[デラーズ紛争]]時にも地球連邦軍の最高司令部として機能。戦闘の舞台にはならなかったが、連邦軍内の政争や[[デラーズ・フリート]]のコロニー落としの対応を行う。[[ソーラ・システム]]によるコロニー破壊が失敗すると基地全域に退避命令が下されており、新設されていた地上部の大型滑走路から大量の輸送機でピストン輸送を繰り返していたが、結局コロニーはジャブローに落ちなかったため、基地は無傷となった。
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宇宙世紀0087年の[[グリプス戦役]]時には、[[ティターンズ]]の本部とされていたが、レコアが潜入した時点で何度も輸送機による物資・人員の大量移動が行われていた。地球圏最大の巨大輸送機ガルダ級も複数動員していた程で、エゥーゴの「ジャブローの風作戦」実行時には、もはや空き家も同然の状況となっていた<ref>なお、[[エゥーゴ]]対ティターンズのジャブロー攻防戦の場面には[[MSV]]出典の機体が多く確認でき、ちょっとしたファンサービスとなっているが、それは「[[地球連邦軍]]・[[ティターンズ]]の司令部とされていたにも関わらず[[二軍|二線級の兵器]]しか配置されていない」事になるため、暗に「捨石」である事を示している。</ref>。[[エゥーゴ]]に痛手を負わせるため、[[自爆]]用の[[核ミサイル|核]]を発動させ、ジャブローは基地施設の心臓部や地上のメイン滑走路が破壊され、壊滅的なダメージを受けた。戦闘後にティターンズの広報は「'''エゥーゴとカラバがジャブロー基地内部でクーデターを実行したが、基地の制圧に失敗したため、自爆用核爆弾を使用してジャブローを破壊した'''」と発表したため、多くのティターンズ将兵はエゥーゴをジオンの再来として危険視した。ただし、'''核爆発によって壊滅的ダメージを受けたのは司令部のみに留まっており、ジャブローのその他の[[施設]]は無傷のまま'''である(『機動戦士ガンダム MSV-R ジョニー・ライデンの帰還』)。その後、宇宙世紀0092年に地球連邦軍はチベットの[[ラサ]]に本部を移動する事になった。
    
[[ザンスカール戦争]]期においても施設の整備はろくに為されず、大量の廃棄兵器が放置された有様となっている(『[[機動戦士クロスボーン・ガンダム|機動戦士クロスボーン・ガンダム ゴースト]]』)。[[ザンスカール帝国]]が挙行した「地球クリーン作戦」と同時期に、[[クロスボーン・バンガード|木星軍]]とザンスカール帝国による宇宙細菌「エンジェルコール」争奪戦が行われ、最終的にはザンスカールの水爆攻撃でまたも核に晒される事となった。
 
[[ザンスカール戦争]]期においても施設の整備はろくに為されず、大量の廃棄兵器が放置された有様となっている(『[[機動戦士クロスボーン・ガンダム|機動戦士クロスボーン・ガンダム ゴースト]]』)。[[ザンスカール帝国]]が挙行した「地球クリーン作戦」と同時期に、[[クロスボーン・バンガード|木星軍]]とザンスカール帝国による宇宙細菌「エンジェルコール」争奪戦が行われ、最終的にはザンスカールの水爆攻撃でまたも核に晒される事となった。
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=== 携帯機シリーズ ===
 
=== 携帯機シリーズ ===
 
;[[スーパーロボット大戦A]]
 
;[[スーパーロボット大戦A]]
:[[マリーメイア軍]]と[[シャドウミラー]]により占拠。次のマップで滞在中の[[ロンド・ベル隊]][[ギニアス・サハリン|ギニアス]]他ジオン残党と[[グレミー・トト|グレミー]]他[[ネオ・ジオン]]一味、[[ダンゲル将軍]]が襲撃する。[[主人公]]の復帰や[[ノリス・パッカード|ノリス]]、[[エルピー・プル|プル]]、[[プルツー]]の加入等イベントが多い。
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:[[マリーメイア軍]]と[[シャドウミラー]]により占拠。[[ヴィンデル・マウザー|ヴィンデル]]は劣勢になると[[ツヴァイザーゲイン]]に搭載されていた次元転移装置を外して「次元転移弾」として用いることでジャブロー諸共[[ロンド・ベル隊]](の半数)を消し去ろうとしたが、寸前で主人公達によって阻止される。ヴィンデルに捨て石にされた[[デキム・バートン|デキム]]は最後の悪あがきとばかりに[[リリーナ・ドーリアン|リリーナ]]を抹殺しようとするが[[マリーメイア・クシュリナーダ|マリーメイア]]に阻まれた挙句[[浪花十三|十三]]に狙撃され死亡する。
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:次のマップで滞在中のロンド・ベル隊を[[ギニアス・サハリン|ギニアス]]他ジオン残党と[[グレミー・トト|グレミー]]他[[ネオ・ジオン]]一味、[[ダンゲル将軍]]が襲撃する。[[主人公]]の復帰や[[ノリス・パッカード|ノリス]]、[[エルピー・プル|プル]]、[[プルツー]]の加入等イベントが多い。
    
=== 単独作品 ===
 
=== 単独作品 ===
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:独立軍ルートでは再度攻撃を仕掛けてOZから奪うも、直後に[[キラル・メキレル]]に爆弾を仕掛けられ、早々に撤退する事になる。
 
:独立軍ルートでは再度攻撃を仕掛けてOZから奪うも、直後に[[キラル・メキレル]]に爆弾を仕掛けられ、早々に撤退する事になる。
 
;[[スーパーロボット大戦GC]]([[スーパーロボット大戦XO|XO]])
 
;[[スーパーロボット大戦GC]]([[スーパーロボット大戦XO|XO]])
:序盤が[[一年戦争]]に沿った展開のためジャブロー防衛戦が再現され、「哀 戦士」が[[BGM]]として流れる。[[ギガノス帝国]]も参加しており、[[マイヨ・プラート|マイヨ]]が不時着して難民キャンプにいた[[リンダ・プラート|リンダ]]と再会する。中盤以降は[[星間連合]]に攻め落とされ、[[ザール星間帝国]]の[[ネシア将軍]]が常駐している。
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:序盤が[[一年戦争]]に沿った展開のためジャブロー防衛戦が再現され、「哀 戦士」が[[BGM]]として流れる。[[ギガノス帝国]]も参加しており、[[マイヨ・プラート|マイヨ]]が不時着して難民キャンプにいた[[リンダ・プラート|リンダ]]と再会する。例によって水場が多いため[[ネオゲッター3]]は勿論、[[合体攻撃]]が[[海]]Aの[[ドラグナー]]チーム、[[ガンダム]]チーム、[[第08MS小隊]]などをメインにすると戦いやすい。
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:中盤以降は[[星間連合]]に攻め落とされ、[[ザール星間帝国]]の[[ネシア将軍]]が常駐しており、[[ホワイトベース隊]]がクスコに向かう際に陽動として連邦軍が攻撃を行う。陽動だと知らされたネシアがクスコへ向かうもそこで戦死したことで奪還した模様。
 
;[[スーパーロボット大戦Operation Extend]]
 
;[[スーパーロボット大戦Operation Extend]]
 
:第1章で一年戦争を元にしたシナリオがあり、[[ホワイトベース隊]]と[[第08MS小隊]]でジャブローを防衛し、[[ジオン公国軍]]と戦うことになる。本作でも「哀 戦士」が採用されている。
 
:第1章で一年戦争を元にしたシナリオがあり、[[ホワイトベース隊]]と[[第08MS小隊]]でジャブローを防衛し、[[ジオン公国軍]]と戦うことになる。本作でも「哀 戦士」が採用されている。
 
;[[スーパーロボット大戦30]]
 
;[[スーパーロボット大戦30]]
:[[ダウンロードコンテンツ/30|ボーナスシナリオ]]「ジャブロー、再び」にて訪れる。一年戦争当時、ジオンの試作MSと[[ゲッター2]]がドリル対決をしたり、[[ゲッター3]]が水中用の短足MSを大雪山おろしで投げ飛ばした等の思い出が語られる<ref>シナリオ中では具体的な名称は名言されていないが、特徴からして該当するのは恐らくアッグ、並びにゾック(いずれもSRW未登場)か。</ref>。
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:[[ダウンロードコンテンツ/30|ボーナスシナリオ]]「ジャブロー、再び」にて訪れる。一年戦争当時、ジオンの試作MSと[[ゲッター2]]がドリル対決をしたり、[[ゲッター3]]が水中用の短足MSを大雪山おろしで投げ飛ばした等の思い出が語られる<ref>シナリオ中では具体的な名称は明言されていないが、特徴からして該当するのは恐らくアッグ、並びにゾック(いずれもSRW未登場)か。</ref>。
 
:また、『ジョニー・ライデンの帰還』を意識したのか、[[グリプス戦役]]当時の[[ティターンズ]]による核爆発も[[エゥーゴ]]が制圧したエリアを壊滅させただけで、現在でも基地として機能していることが語られている。
 
:また、『ジョニー・ライデンの帰還』を意識したのか、[[グリプス戦役]]当時の[[ティターンズ]]による核爆発も[[エゥーゴ]]が制圧したエリアを壊滅させただけで、現在でも基地として機能していることが語られている。
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**ただし、「戦時中という状況であるため、地球連邦軍本部に連邦政府が疎開している」と解釈すれば、一応の矛盾は存在しない。
 
**ただし、「戦時中という状況であるため、地球連邦軍本部に連邦政府が疎開している」と解釈すれば、一応の矛盾は存在しない。
 
**漫画『機動戦士ガンダム THE ORIGIN』では、[[ア・バオア・クー]]攻防戦の最中に行われた会議にて[[GUNDAM:ゴップ|ゴップ元帥]](SRW未参戦)や軍高官の他にも連邦政府の閣僚と思われる者達が参加しており、連邦政府がジャブローに疎開している事が窺える。
 
**漫画『機動戦士ガンダム THE ORIGIN』では、[[ア・バオア・クー]]攻防戦の最中に行われた会議にて[[GUNDAM:ゴップ|ゴップ元帥]](SRW未参戦)や軍高官の他にも連邦政府の閣僚と思われる者達が参加しており、連邦政府がジャブローに疎開している事が窺える。
*安彦良和氏の[[漫画]]『機動戦士ガンダム THE ORIGIN』(SRW未参戦)では「アマゾン河流域では、地盤が軟弱なために大規模な地下施設を建設するのは難しい」という理由で、ジャブローの所在地が「[[ギアナ高地]]の地下」に変更されている。
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*安彦良和氏の[[漫画]]『機動戦士ガンダム THE ORIGIN』(SRW未参戦)では「アマゾン河流域では、地盤が軟弱なために大規模な地下施設を建設するのは難しい」という理由で、ジャブローの所在地が「[[ギアナ高地]]の地下」に変更されている。一方、北爪宏幸氏の漫画『機動戦士ZガンダムDefine』では「常識で考えれば地盤が緩くて地下基地などあり得ないはずだが、最先端の特殊工法により建造できた」とされている。
 
*前田建設ファンタジー営業部が「もし、現段階の技術をもってジャブローを建造したら、工期と[[資金|予算]]はどれくらい必要なのか?」を大真面目に考察した。ちなみに、この企画は連載コラムとしてガンダム総合情報サイト『GUNDAM.INFO』にて掲載され、後に書籍化された。
 
*前田建設ファンタジー営業部が「もし、現段階の技術をもってジャブローを建造したら、工期と[[資金|予算]]はどれくらい必要なのか?」を大真面目に考察した。ちなみに、この企画は連載コラムとしてガンダム総合情報サイト『GUNDAM.INFO』にて掲載され、後に書籍化された。
  
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