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| 『'''機動戦士ガンダム 鉄血のオルフェンズ'''』は、サンライズ制作のテレビアニメ作品。 | | 『'''機動戦士ガンダム 鉄血のオルフェンズ'''』は、サンライズ制作のテレビアニメ作品。 |
| == 概要 == | | == 概要 == |
− | [[ガンダムシリーズ]]の一作であり、過去に「厄祭戦」と呼ばれる大規模な戦乱が起きた世界を舞台に、テラフォーミング化された[[火星]]で暮らす少年兵や孤児達の物語を描く。「少年キャラクター達によるドラマ性の高いストーリー」と「戦いを通じて段階的に進化していくガンダム」が作品テーマとして掲げられている。分割2期構成で、2015年から2016年にかけて第1期が、2016年から2017年にかけて第2期が放映された。視聴者からの通称は『'''鉄血'''』『'''オルフェンズ'''』『'''鉄オル'''』など。なお、タイトルの『オルフェンズ』とは[[英語]]で「孤児」を意味する。 | + | [[ガンダムシリーズ]]の一作であり、過去に「厄祭戦」と呼ばれる大規模な戦乱が起きた世界を舞台に、テラフォーミング化された[[火星]]で暮らす少年兵や孤児達の物語を描く。「少年キャラクター達によるドラマ性の高いストーリー」と「戦いを通じて段階的に進化していくガンダム」が作品テーマとして掲げられている。分割2期構成で、2015年から2016年にかけて第1期が、2016年から2017年にかけて第2期が放映された。視聴者からの通称は『'''鉄血'''』『'''オルフェンズ'''』『'''鉄オル'''』等。なお、タイトルの「オルフェンズ」とは[[英語]]で「孤児」<ref>『[[ブレンパワード (TV)|ブレンパワード]]』に登場する遺跡「[[オルファン]]」もまた、同様の意味である。</ref>を意味する。 |
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− | 本作に登場する人型機動兵器([[モビルスーツ]])はこれまでのガンダム作品と比較してかなり強固に描かれており、武装もビーム兵器が主体ではなく、ほぼ全てに実体弾や実体剣、鈍器などが用いられている<ref>これは長井監督の意向も多分に含まれている。</ref>。また、いわゆるヤクザやマフィアのような「任侠物」の要素も取り入れられており、[[暗殺]]や謀殺も多く描写されている。こういった作風の為、戦闘では[[ヘレン・ジャクソン|コックピットを潰されて圧死するパイロット]]の描写が度々あり<ref>一方で「撃墜された機体が爆発を起こす」というロボットアニメにおける定番の演出はあまり行われない</ref>、ある人物の回想で[[アンジェロ・ザウパー|義父から性的虐待を受けていた]]事後や[[キラ・ヤマト|性行為の暗喩]]、自殺などの場面があるなど、性や暴力に関し、全日帯の地上波アニメとしては少々過激とも思える表現が見られる<ref>尤も、2000年代以降のMBS制作アニメは全体的にそういった傾向が強く、特に本作の放送枠であった「日5」の前身である「土6」においては[[機動戦士ガンダムSEED|BPOに多くの苦情が寄せられる]]事も珍しくない程であった。</ref>。作品の構想自体は『[[機動戦士ガンダムAGE]]』より以前に企画されていた事が長井監督により語られており、同時に本作のモチーフとなったものが幕末に活躍した[[江戸時代#新選組|新選組]]であることも明かされている。そのため、シナリオ・登場人物・組織などに[[銀河烈風バクシンガー|新選組の要素が取り入れられている]]。 | + | 本作に登場する人型機動兵器([[モビルスーツ]])はこれまでのガンダム作品と比較してかなり強固に描かれており、武装もビーム兵器が主体ではなく、ほぼ全てに実体弾や実体剣、鈍器などが用いられている<ref>これは長井監督の意向も多分に含まれている。</ref>。また、いわゆるヤクザやマフィアのような「任侠物」の要素も取り入れられており、[[暗殺]]や謀殺も多く描写されている。こういった作風の為、戦闘では[[ヘレン・ジャクソン|コックピットを潰されて圧死するパイロット]]の描写が度々あり<ref>一方で「撃墜された機体が爆発を起こす」というロボットアニメにおける定番の演出はあまり行われない</ref>、ある人物の回想で[[アンジェロ・ザウパー|義父から性的虐待を受けていた]]事後や[[キラ・ヤマト|性行為の暗喩]]、自殺等の場面がある等、性や暴力に関し、全日帯の地上波アニメとしては少々過激とも思える表現が見られる<ref>もっとも、2000年代以降のMBS制作アニメは全体的にそういった傾向が強く、特に本作の放送枠であった「日5」の前身である「土6」においては[[機動戦士ガンダムSEED|BPOに多くの苦情が寄せられる]]事も珍しくない程であった。</ref>。作品の構想自体は『[[機動戦士ガンダムAGE]]』より以前に企画されていた事が長井監督により語られており、同時に本作のモチーフとなったものが幕末に活躍した[[江戸時代#新選組|新選組]]である事も明かされている。そのため、シナリオ・登場人物・組織等に[[銀河烈風バクシンガー|新選組の要素が取り入れられている]]。 |
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− | 公式外伝作品としては[[月]]周辺のコロニーを舞台とした『機動戦士ガンダム 鉄血のオルフェンズ 月鋼(げっこう)』や、テレビシリーズ終了後に発表されたファーストシーズン・セカンドシーズン間の空白期間における[[金星]]圏での出来事を描くアプリゲーム『機動戦士ガンダム 鉄血のオルフェンズ ウルズハント』が存在する。
| + | 公式[[外伝]]作品としては[[月]]周辺のコロニーを舞台とした『機動戦士ガンダム 鉄血のオルフェンズ 月鋼(げっこう)』や、テレビシリーズ終了後に発表されたファーストシーズン・セカンドシーズン間の空白期間における[[金星]]圏での出来事を描く[[コンピュータゲーム|アプリゲーム]]『機動戦士ガンダム 鉄血のオルフェンズ ウルズハント』が存在する。 |
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| == ストーリー == | | == ストーリー == |
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| ;厄祭戦 | | ;厄祭戦 |
| :約300年前に起きた大規模な大戦。ギャラルホルンの創設者である英雄アグニカ・カイエルらの活躍によって終結したとされている。 | | :約300年前に起きた大規模な大戦。ギャラルホルンの創設者である英雄アグニカ・カイエルらの活躍によって終結したとされている。 |
− | :「厄災戦」と誤表記される事が多いが本作内での正規表記は「厄祭戦」である。注意したい。 | + | :「厄災戦」と誤表記される事が多いが、本作内での正規表記は「厄'''祭'''戦」である。注意したい。 |
| ;CGS(クリュセ・ガード・セキュリティ) | | ;CGS(クリュセ・ガード・セキュリティ) |
| :火星のアーブラウ領クリュセ独立自治区を根城とする民間警備会社。一軍や参番組を部隊に持つ。ギャラルホルン襲撃時にオルガ達によって乗っ取られ、社長のマルバ・アーケイ達は追い出された。 | | :火星のアーブラウ領クリュセ独立自治区を根城とする民間警備会社。一軍や参番組を部隊に持つ。ギャラルホルン襲撃時にオルガ達によって乗っ取られ、社長のマルバ・アーケイ達は追い出された。 |
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| :ギャラルホルンの監視の下、現在の地球を分割統治している4つの国家組織。「アーブラウ」、「SAU(STRATEGIC ALLIANCE UNION)」、「アフリカンユニオン」、「オセアニア連邦」から成る。 | | :ギャラルホルンの監視の下、現在の地球を分割統治している4つの国家組織。「アーブラウ」、「SAU(STRATEGIC ALLIANCE UNION)」、「アフリカンユニオン」、「オセアニア連邦」から成る。 |
| ;[[ギャラルホルン]] | | ;[[ギャラルホルン]] |
− | :アグニカ・カイエルと彼の同志たる7つの名家「セブンスターズ」によって設立された治安維持組織。しかし、現在では腐敗し当初の理念は失われている。本部は地球の移動式メガフロート「ヴィーンゴールヴ」。アリアンロッド艦隊と地球外縁軌道統制統合艦隊の2つの艦隊を持つなど強大な軍事力を有し、地球圏のみならず火星にも影響力を持つ。 | + | :アグニカ・カイエルと彼の同志たる7つの名家「セブンスターズ」によって設立された治安維持組織。しかし、現在では腐敗しており、当初の理念は失われている。 |
| + | :本部は地球の移動式メガフロート「ヴィーンゴールヴ」。アリアンロッド艦隊と地球外縁軌道統制統合艦隊の2つの艦隊を持つなど強大な軍事力を有し、地球圏のみならず火星にも影響力を持つ。 |
| ;テイワズ | | ;テイワズ |
− | :木星や小惑星帯を拠点とする巨大企業体。実態はヤクザやマフィアに近い。独自のモビルスーツ開発技術があり、地球圏にも影響力を持つため、ギャラルホルンもあまり手を出すことができない。下部組織に「タービンズ」や「JPTトラスト」を置く。 | + | :[[木星|木星圏]]に本拠を構え、[[アステロイド・ベルト|小惑星帯]]をも支配している[[企業|巨大企業体]]。…なのだが、その実態はヤクザやマフィアに近い。 |
| + | :独自のモビルスーツ開発技術が有り、地球圏にも影響力を持つ為、ギャラルホルンでさえもあまり手を出す事ができない。下部組織に「タービンズ」や「JPTトラスト」を置く。 |
| ;[[宇宙海賊]] | | ;[[宇宙海賊]] |
− | :惑星間などの航路に出没する宇宙海賊。作中では「ブルワーズ」や「夜明けの地平線団」などが登場する。単なる海賊と言っても、多数のMSや艦船を所有し、時にはガンダム・フレーム機ですら持つため、その戦力を侮ることはできない。 | + | :惑星間等の航路に出没する宇宙海賊。作中では「ブルワーズ」や「夜明けの地平線団」等が登場する。 |
| + | :しかし、単なる「海賊」と言っても、多数のMSや艦船を所有し、時にはガンダム・フレーム機ですら持つ為、その戦力を侮る事はできない。 |
| ;MS用フレーム | | ;MS用フレーム |
− | :作中に登場するMSは全て「フレーム」を元にしており、その上に外装を纏っている。フレーム種自体が機体種の識別点の一つとなっており、[[ガンダムタイプ]]である「ガンダム・フレーム」や、ギャラルホルン一般量産機用の「グレイズ・フレーム」、テイワズ運用機用の戦後製フレーム規格である「テイワズ・フレーム」、戦前から一般的に使われている「ロディ・フレーム」や「ヘキサ・フレーム」などがある。 | + | :作中に登場するMSは全て「フレーム」を元にしており、その上に外装を纏っている。 |
| + | :フレーム種自体が機体種の識別点の一つとなっており、[[ガンダムタイプ]]である「ガンダム・フレーム」や、ギャラルホルン一般量産機用の「グレイズ・フレーム」、テイワズ運用機用の戦後製フレーム規格である「テイワズ・フレーム」、戦前から一般的に使われている「ロディ・フレーム」や「ヘキサ・フレーム」等がある。 |
| ;[[モビルアーマー]] | | ;[[モビルアーマー]] |
| :厄祭戦の元凶と言われる無人機動兵器。「人間を殺すこと」に特化した兵器であり、行動パターンも人口密集地やモビルスーツの攻撃を優先している。 | | :厄祭戦の元凶と言われる無人機動兵器。「人間を殺すこと」に特化した兵器であり、行動パターンも人口密集地やモビルスーツの攻撃を優先している。 |
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| :エイハブ・リアクターによって発生するエイハブ・ウェーブによって衝撃吸収作用などを齎す特殊装甲。MSや艦艇の表面などに使われており、実弾や[[ビーム兵器]]に対して高い防御力を発揮する。本作のMSにビーム兵器が搭載されていないのはこれがあるためである。 | | :エイハブ・リアクターによって発生するエイハブ・ウェーブによって衝撃吸収作用などを齎す特殊装甲。MSや艦艇の表面などに使われており、実弾や[[ビーム兵器]]に対して高い防御力を発揮する。本作のMSにビーム兵器が搭載されていないのはこれがあるためである。 |
| ;[[阿頼耶識]](アラヤシキ)システム | | ;[[阿頼耶識]](アラヤシキ)システム |
− | :厄祭戦時代に運用されていた機動兵器の操縦に用いる有機デバイスシステム。特殊な手術が必要であり、非人道的としてギャラルホルンによって使用が禁止されている。三日月達の出身となる火星では不完全な手術が横行している。 | + | :厄祭戦時代に運用されていた機動兵器の操縦に用いる有機デバイスシステム。特殊な手術が必要であり、非人道的としてギャラルホルンによって使用が禁止されている。 |
| + | :主人公の三日月達の出身となる火星では不完全な手術が横行している。 |
| ;ヒューマンデブリ | | ;ヒューマンデブリ |
− | :デブリ(ゴミ)同然の安価で人身売買される少年少女達。元々は浮浪児や孤児であり、組織に買われた場合、所有物として扱われる。 | + | :「デブリ(ゴミ)」同然の安価で人身売買される少年少女達。元々は浮浪児や孤児であり、組織に買われた場合、「所有物」として扱われる。 |
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| == 楽曲 == | | == 楽曲 == |
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| **一番わかりやすい例は[[ガンダムタイプ|ガンダム]]の名に[[天使・悪魔|天使]]の名前を冠し[[GNドライヴ|オーバーテクノロジー]]を導入している『00』とは異なり、『鉄血』のガンダムは悪魔の名前を冠しロストテクノロジーで作られている。 | | **一番わかりやすい例は[[ガンダムタイプ|ガンダム]]の名に[[天使・悪魔|天使]]の名前を冠し[[GNドライヴ|オーバーテクノロジー]]を導入している『00』とは異なり、『鉄血』のガンダムは悪魔の名前を冠しロストテクノロジーで作られている。 |
| *本作の主人公である[[三日月・オーガス]]をはじめ鉄華団メンバーの多くが身元不明の孤児達である故か、キャラクターの大半に明確な[[年齢]]が設定されていない。 | | *本作の主人公である[[三日月・オーガス]]をはじめ鉄華団メンバーの多くが身元不明の孤児達である故か、キャラクターの大半に明確な[[年齢]]が設定されていない。 |
− | *製作者曰く、映画『仁義なき戦い』シリーズの元になった広島抗争がモチーフになっているとの事。 | + | *制作者曰く、映画『仁義なき戦い』シリーズの元になった事件「広島抗争」がモチーフになっているとの事。 |
− | *制作局であるMBSテレビの番組改編に伴い2017年3月期をもって「日5枠」が廃止<ref>その後のMBS制作の全国ネットアニメ枠は土曜早朝へ移行、TBS制作の全国ネットアニメ枠と統合し「アニメサタデー630」となったがそちらも2019年6月をもって廃枠となりMBS全国枠は金曜深夜の「スーパーアニメイズム」へと移行された。</ref>されたため、本作第2期が同アニメ枠の最終作となった。 | + | *制作局であるMBSテレビの番組改編に伴い2017年3月期をもって「日5枠」が廃止<ref>その後のMBS制作の全国ネットアニメ枠は土曜早朝へ移行、TBS制作の全国ネットアニメ枠と統合し「アニメサタデー630」となったがそちらも2019年6月を以って廃枠となりMBS全国枠は金曜深夜の「スーパーアニメイズム」へと移行された。</ref>されたため、本作第2期が同アニメ枠の最終作となった。 |
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| == 商品情報 == | | == 商品情報 == |