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== SDガンダムシリーズ(Super Deformed GUNDAM Series) ==
== SDガンダムシリーズ(Super Deformed GUNDAM Series) ==
「'''SDガンダムシリーズ'''」とは、[[ガンダムシリーズ]]の[[モビルスーツ]]を[[SD]]化した擬人化キャラクターによる玩具のこと。単に「'''SDガンダム'''」とも。
「'''SDガンダムシリーズ'''」とは、[[ガンダムシリーズ]]の[[モビルスーツ]]を[[SD]]化した擬人化キャラクターによる玩具のこと。単に「'''SDガンダム'''」とも。「武者ガンダム」や「騎士ガンダム」など、モビルスーツをモチーフにした独自のキャラクターたちを生み出したことでも知られる。
玩具の販促のために用いられる漫画やアニメ作品についてもこの項に含む。
玩具の販促のために用いられる漫画やアニメ作品についてもこの項に含む。
==デフォルメの特徴==
==デフォルメの特徴==
SDガンダムは'''[[スーパーデフォルメ]]'''(略称・'''[[SD]]''')という言葉自体を生み出した元祖ともいえる玩具企画である。このSDという言葉がどのようなデフォルメ(姿形変化)のことを表すかは当該項目に譲るが、SDガンダムシリーズについては以下の特徴を持つ。
SDガンダムは'''[[スーパーデフォルメ]]'''(略称・'''[[SD]]''')という言葉自体を生み出した元祖ともいえる玩具企画である。このSDという言葉がどのようなデフォルメ(姿形変化)のことを表すかは当該項目に譲るが、SDガンダムシリーズについては以下の特徴を持つ。
*[[モビルスーツ]]を極端に低頭身化してリデザインを行う。2~2.5頭身が基本。一部の製品には3頭身以上のものも存在するが少数派である。
*[[モビルスーツ]]を極端に低頭身化してリデザインを行う。2~2.5頭身が基本。一部の製品には3頭身以上のものも存在するが少数派である。
*モビルスーツたちは擬人化され、人格があるキャラクターとして扱われる。誰かが乗り込んで操縦しているわけではない。
*モビルスーツたちは擬人化され、人格があるキャラクターとして扱われる。誰かが乗り込んで操縦しているわけではない。
*ツインアイを持つ[[ガンダムタイプ]]に対しては、目の中に「瞳」が施される。
*ツインアイを持つ[[ガンダムタイプ]]に対しては、目の中に「瞳」が施される。
SDガンダムシリーズの生みの親とされるデザイナーの横井孝二氏によると、漫画家の鳥山明が描く「丸みを帯びたメカ」に大きな影響を受けているということで、また、擬人化のイメージソースとしては『Dr.スランプ』にモブとして登場するウルトラマンやゴジラのパロディキャラたちをイメージしていたということである。
SDガンダムシリーズの生みの親とされるデザイナーの横井孝二氏によると、漫画家の鳥山明が描く「丸みを帯びたメカ」に大きな影響を受けているということで、また、擬人化のイメージソースとしては『Dr.スランプ』にモブとして登場するウルトラマンやゴジラのパロディキャラたちをイメージしていたということである。
瞳についてはSDガンダムシリーズの最大の個性と言え、キャラクターが意志を持っているということを伝える擬人化の意匠である。ただし、瞳がつけられるのは「ツインアイの[[ガンダムタイプ]]」以外ではほとんど見られないので、全体から見れば少数派である。それゆえに主役級のガンダムの存在感がひときわ強まり、SDモビルスーツが集合したイラストにおいて主役級のガンダムは一目で見分けがつく。<br />その個性の強さゆえ、瞳が苦手でSDガンダムシリーズを敬遠する人も少なからず存在している。そのための配慮もあってか、近年ではゲーム作品の『SDガンダム G GENERATION』シリーズを中心に、キャラクターではない純粋なSD体型のMSを表現するため瞳を廃したデフォルメを採用した製品も出てきている(元々90年代に販売されていたSDガンダムの玩具でもカメラアイについては瞳が付いているものと付いていないものの両方のシールが付属されていた)。
瞳についてはSDガンダムシリーズの最大の個性と言え、キャラクターが意志を持っているということを伝える擬人化の意匠である。ただし、瞳がつけられるのは「ツインアイの[[ガンダムタイプ]]」以外ではほとんど見られないので、全体から見れば少数派である。それゆえに主役級のガンダムの存在感がひときわ強まり、SDモビルスーツが集合したイラストにおいて主役級のガンダムは一目で見分けがつく。その個性の強さゆえ、瞳が苦手でSDガンダムシリーズを敬遠する人も少なからず存在している。そのための配慮もあってか、近年ではゲーム作品の『SDガンダム G GENERATION』シリーズを中心に、キャラクターではない純粋なSD体型のMSを表現するため瞳を廃したデフォルメを採用した製品も出てきている(元々90年代に販売されていたSDガンダムの玩具でもカメラアイについては瞳が付いているものと付いていないものの両方のシールが付属されていた)。
==スーパーロボット大戦シリーズとの関わり==
==スーパーロボット大戦シリーズとの関わり==
初代の『[[スーパーロボット大戦]]』では擬人化されたSDガンダムそのものが、同じく[[マジンガーZ]]や[[ゲッターロボ]]と一緒に戦うというゲームであった。しかし、続編の『[[第2次スーパーロボット大戦]]』以降はあくまで「原作アニメのキャラクターとロボットが登場するキャラクターゲーム」となり、ユニットのグラフィックにだけSDガンダムの絵を使用しているという措置が取られている。
初代の『[[スーパーロボット大戦]]』では擬人化されたSDガンダムそのものが、同じく[[マジンガーZ]]や[[ゲッターロボ]]と一緒に戦うというゲームであった。しかし、続編の『[[第2次スーパーロボット大戦]]』以降はあくまで「原作アニメのキャラクターとロボットが登場するキャラクターゲーム」となり、ユニットのグラフィックにだけSDガンダムの絵を使用しているという措置が取られている。スパロボがSDデザインを使い続けてる理由には様々な理由があるが、「[[SD]]」という共通の方向性のリデザインを施すことで多種多様な作品の雰囲気をある程度統一すると同時に、ifの世界であることも強調できるためという点が最も大きい。
初期のスパロボ『[[旧シリーズ|第○次シリーズ]]』でデザインワークスを統括したレイ・アップの横井孝二氏は、SDガンダムの「生みの親」の一人であり、スパロボは「(当時の)SDガンダムの玩具のデザイン」を基準として他のロボットたちもそれに合わせるような形で統一感がとられていた。多種多様な作品が共演するスパロボでも「瞳」がつけられたのは[[ガンダムタイプ]]だけだったため、スパロボでのガンダムタイプはひときわ目立つ存在であった。<br/>(ただし、「[[真ゲッターロボ]]」のようにオリジナルのデザインの時点で「瞳」があるロボットについてはSD化しても瞳はつけられている)
初期のスパロボ『[[旧シリーズ|第○次シリーズ]]』でデザインワークスを統括したレイ・アップの横井孝二氏は、SDガンダムの「生みの親」の一人であり、スパロボは「(当時の)SDガンダムの玩具のデザイン」を基準として他のロボットたちもそれに合わせるような形で統一感がとられていた。多種多様な作品が共演するスパロボでも「瞳」がつけられたのは[[ガンダムタイプ]]だけだったため、スパロボでのガンダムタイプはひときわ目立つ存在であった(ただし「[[真ゲッターロボ]]」のようにオリジナルのデザインの時点で「瞳」があるロボットについてはSD化しても瞳はつけられている)。
なお、現在は横井氏がレイ・アップから独立しているため、弟子筋にあたるかげやまいちこ氏がデザインワークスの統括にあたっている。そのこともあるのか、2000年頃からガンダムタイプの瞳は廃されている。また、現在ではスパロボのSDキャラクターの頭身は3頭身~4頭身が主流になっており、玩具の「SDガンダム」ともまた異なる基準の統一感が作られている。
なお、現在は横井氏がレイ・アップから独立しているため、弟子筋にあたるかげやまいちこ氏がデザインワークスの統括にあたっている。そのこともあるのか、2000年頃からガンダムタイプの瞳は廃されている。また、現在ではスパロボのSDキャラクターの頭身は3頭身~4頭身が主流になっており、玩具の「SDガンダム」ともまた異なる基準の統一感が作られている。
また、スパロボとSDガンダムの関係性でよく語られる俗説に、「ガンダムシリーズのモビルスーツはほかのロボットアニメと異なり、一体一体で版権が個別に管理されていて、ユニットの数を出せば出すほど版権量がかかる。しかし、SDガンダムで版権を取得すればすべてのモビルスーツをその版権1つで出すことができる」というものがある。スパロボシリーズでは、ユニットはSD体型で描かれていてもカットインのグラフィックではリアル体型、というのが多いが、なぜかガンダムシリーズだけカットインもSDサイズという状況が長く続いていることがこの説の信憑性を強くしている。2011年~2012年に前後編で発売された『[[第2次スーパーロボット大戦Z]]』は登場ユニットはSDサイズだが、ガンダムシリーズのリアルサイズカットインを実現した初のスパロボである(ただし、それ以前も[[シャイニングガンダム]]の手や[[ガンダム試作3号機]]の腕など、明らかにリアルサイズになっているカットインや、[[ガンダムエックス]]がシルエットでリアルサイズになっているカットイン、[[デスティニーガンダム]]等のカメラアイのみが映るカットインが存在した)。
その他、スパロボにおける[[SD]]というデザインワークスそのもののあり方については当該項目も参照のこと。
その他、スパロボにおける[[SD]]というデザインワークスそのもののあり方については当該項目も参照のこと。
一方、SDガンダム版権を取得しているのなら、「武者ガンダム」や「騎士ガンダム」などオリジナル色が強いSDガンダムの参戦を希望する声は根強い。事実、他のSDガンダムのゲームでは武者や騎士がゲストで出てくることが多い勿論、リアルサイズ比例を採用する「ガンダム無双」シリーズにおける、武者や騎士が出演する際、自身で他作品と近い8頭身比例化も行われること。スパロボと同じく「原作アニメのキャラクターとロボットが登場するキャラクターゲーム」として、ユニットのみにSDガンダムを使っている『SDガンダム G GENERATION』シリーズでさえ、武者や騎士が登場している。スパロボではこれがなかなか実現しないことについては、「'''モチーフ元のモビルスーツが同じSDキャラクターは、一体しか出せない'''というルールがあるため」ということがファンの間では定説になっている。例えば、スパロボで[[ΖΖガンダム]]が出した場合、武者駄舞留精太頑駄無(むしゃだぶるぜいたがんだむ)は出せないという解釈([[ΖΖガンダム]]が二機登場することになるため)である。しかしこれもまた『Gジェネ』などでは問題ないのになぜスパロボではNGなのかという疑問が新たに生じてしまっているため、決定的な理由とは成り得ていない。単なる設定の衝突を意識してのこととも考えられるが、明確な答えは出ていない。
尤もそれ以前に、SDガンダムシリーズは'''非映像化作品が非常に多い'''為、実際に参戦の障害となっているのは声優とBGMの問題である可能性が高いとされている。
尤もそれ以前に、SDガンダムシリーズは'''非映像化作品が非常に多い'''為、実際に参戦の障害となっているのは声優とBGMの問題である可能性が高いとされている。
初期の頃はただ「このシリーズは原作とは異なるギャグ世界で描かれるコメディである」ことさえ伝えられればよく、「ギャグ世界」には細かい設定などは不要であった。作家ごとにキャラクター設定や世界観も異なっていた。この流れはえてして硬直化しがちなガンダムシリーズにとって大きな爆弾となり、一時期のガンダムシリーズを支えてアナザーガンダム誕生へも影響を与えたと言えるほどの大きな効果を残すことになる。しかしそのうち、ギャグではなくシリアスな独自世界でもSDキャラクターたちを展開させる企画が出てくる。「漠然としたギャグ」ではなく「確固とした背景ストーリー」を伝えるために漫画連載はますます重要視され、SDガンダムの玩具展開とコミックによる背景世界観の描写は不可分のものとなった。しかし、2007年にボンボンが休刊したことで、SDガンダムの新しいシリーズ展開が難しくなってしまっている現状がある。
初期の頃はただ「このシリーズは原作とは異なるギャグ世界で描かれるコメディである」ことさえ伝えられればよく、「ギャグ世界」には細かい設定などは不要であった。作家ごとにキャラクター設定や世界観も異なっていた。この流れはえてして硬直化しがちなガンダムシリーズにとって大きな爆弾となり、一時期のガンダムシリーズを支えてアナザーガンダム誕生へも影響を与えたと言えるほどの大きな効果を残すことになる。しかしそのうち、ギャグではなくシリアスな独自世界でもSDキャラクターたちを展開させる企画が出てくる。「漠然としたギャグ」ではなく「確固とした背景ストーリー」を伝えるために漫画連載はますます重要視され、SDガンダムの玩具展開とコミックによる背景世界観の描写は不可分のものとなった。しかし、2007年にボンボンが休刊したことで、SDガンダムの新しいシリーズ展開が難しくなってしまっている現状がある。
SDガンダムシリーズがコミックを使って作り出した世界観やテーマは様々なものがある。原作をパロディしたギャグもの、原作と無関係にモビルスーツたちによる日常系コメディ、シリアスな異世界ファンタジーもの、果ては学園コメディまで、何でもありである。登場キャラクターも生命体からメカ、モンスターや精霊、さらには神様まで網羅しており、しかも'''SDガンダムとリアル体系のガンダムが共存すらしている'''。「'''SDガンダムは自由なのだ'''」という言葉もあり、一部ではガンダムで思いつく大抵のネタは既にSDが通り過ぎているとさえ言われるほどである。<br />端的に言えば「わざわざガンダムを使って表現する必要のない世界観」にまでガンダムを無理にでも使うのがSDガンダムシリーズであり、この自由さこそが現在まで愛されている最大の魅力である。しかし、その一方で[[シャア・アズナブル]]役の池田秀一氏は下品な台詞が多いSDガンダムの仕事を快く思っていなかったというエピソードも残している。
SDガンダムシリーズがコミックを使って作り出した世界観やテーマは様々なものがある。原作をパロディしたギャグもの、原作と無関係にモビルスーツたちによる日常系コメディ、シリアスな異世界ファンタジーもの、果ては学園コメディまで、何でもありである。登場キャラクターも生命体からメカ、モンスターや精霊、さらには神様まで網羅しており、しかも'''SDガンダムとリアル体系のガンダムが共存すらしている'''。「'''SDガンダムは自由なのだ'''」という言葉もあり、一部ではガンダムで思いつく大抵のネタは既にSDが通り過ぎているとさえ言われるほどである。端的に言えば「わざわざガンダムを使って表現する必要のない世界観」にまでガンダムを無理にでも使うのがSDガンダムシリーズであり、この自由さこそが現在まで愛されている最大の魅力である。しかし、その一方で[[シャア・アズナブル]]役の池田秀一氏は下品な台詞が多いSDガンダムの仕事を快く思っていなかったというエピソードも残している。
現在までSDガンダムが公式で展開してきたテーマや世界観は大きく分けると以下のようになる。
現在までSDガンダムが公式で展開してきたテーマや世界観は大きく分けると以下のようになる。
;『森本がーにゃのSDガンダムいんふぉ』(森本がーにゃ)
;『森本がーにゃのSDガンダムいんふぉ』(森本がーにゃ)
:サンライズが運営するガンダムシリーズのポータルサイト「GUNDAM.INFO」にて、2012年3月19日から連載されているWEB漫画。<br>作者の森本氏(自画像は[[陸戦型ジム]])がSDモビルスーツと共に、ガンダム関連の様々な話題をギャグ漫画形式で紹介する。扱うジャンルもアニメだけでなくプラモデル・カプセルトイ・ゲーム・パチスロ等多岐にわたる。<br>なお、森本氏がSDガンダム世代であることから、作風は上記『フルカラー劇場』をほぼ踏襲したものとなっている。
:サンライズが運営するガンダムシリーズのポータルサイト「GUNDAM.INFO」にて、2012年3月19日から連載されているWEB漫画。作者の森本氏(自画像は[[陸戦型ジム]])がSDモビルスーツと共に、ガンダム関連の様々な話題をギャグ漫画形式で紹介する。扱うジャンルもアニメだけでなくプラモデル・カプセルトイ・ゲーム・パチスロ等多岐にわたる。なお、森本氏がSDガンダム世代であることから、作風は上記『フルカラー劇場』をほぼ踏襲したものとなっている。
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ガンダム生誕から25周年記念として、2003年に放映されたTVアニメ。キャラクターは全て3DCGで描かれている。サンライズとアメリカの「カートゥーン・ネットワーク」との共同制作。
ガンダム生誕から25周年記念として、2003年に放映されたTVアニメ。キャラクターは全て3DCGで描かれている。サンライズとアメリカの「カートゥーン・ネットワーク」との共同制作。
人間が普通に暮らす未来都市ネオトピアに、悪のSDモビルスーツ軍団「ネオアクシズ」が次元を超えて侵略を開始。しかしそのとき、ネオアクシズと闘う正義のヒーロー部隊「ガンダムフォース」も転移してきた。ガンダムフォースのリーダー・キャプテンガンダムの感銘を受けたシュウト少年は隊員としてガンダムフォースに入隊。シュウトとキャプテンガンダムの、戦いの物語が展開される。話が進むにつれ、ネオアクシズに侵略された別次元「天宮」の武者ガンダム、「ラクロア」の騎士ガンダムも登場し、物語は複数の次元をまたにかけたものとなっていく。
このプロットでわかるように本作は「コマンド戦記」をリメイクしたような位置づけになっている。ただし、過去のSDガンダムと世界観が繋がっている訳ではなく独立したパラレル作品として扱われている。
このプロットでわかるように本作は「コマンド戦記」をリメイクしたような位置づけになっている。ただし、過去のSDガンダムと世界観が繋がっている訳ではなく独立したパラレル作品として扱われている。